『アリエリー教授の人生相談室 行動経済学で解決する100の不合理』 著者まえがき&内容の一部紹介

早川書房2016年05月11日 印刷向け表示
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人に頼まれると断れない 

親愛なるダンへ

この間昇進してから、自分の仕事とまったく関係のないことを次から次へと頼まれるようになりました。同僚や会社全体のためにはたらくことが大切なのはわかっているけれど、そのせいで時間をとられて自分の仕事ができないんです。うまく優先順位をつけるにはどうしたらいいですか? (フランチェスカより)

そうしてみんなは、やることリストをすっかり片づけてから、 幸せに暮らしましたとさ

これぞ成功の呪いだね。昇進は喜ばしいが、昇進したらしたで、いろんなお願いごとや煩わしいことが増えるのに気がつく(おかしな話だが、次に昇進するころにはそんなことはすっかり忘れていて、昇進するたびにあらためて驚くんだ)。

君の質問に戻ろう。たぶん、君の新しい生活はこんな感じなんじゃないかな。毎日、気のいい同僚たちにいろんなお願いごとをされ、できることなら助けてあげたいと思う。それにそういう頼みごとは今すぐではなく、ずっと先、たとえばひと月後に何かをしてほしいというものが多い。

君はまだスカスカのカレンダーを見て、自分にこういい聞かせる。「ひと月あとなら予定がガラ空きだし、断れるわけないじゃない?」。でも、それはまちがっている。実のところ、予定が空いているんじゃなく、細かい予定がまだ決まっていないだけなんだ。そしてその日が来ると、その余分なお願いごとがなかったとしても、やるべきことがありすぎて手一杯の状態だ。そのとき初めて、引き受けるんじゃなかったと後悔する。

これはよくある問題だ。そこで、望ましい優先順位を守るための簡単な方法を3つ教えよう。

1つめとして、何か頼みごとをされるたびに、「来週だったらどうするか」と考えるんだ。 その場合、君は予定表を見て、新しいお願いを入れるためにほかの約束をとり消すべきかどうか考えるよね。ほかの予定をとり消してでも時間をつくろうと思えるなら、引き受ければいい。 でも、ほかの約束より優先するつもりがないなら、きっぱりノーといおう。

2つめの方法として、何か頼みごとをされたら、予定表を見てその日に動かせない予定が入っていた──たとえばその日は出張だった──ことに気づいたと想像してみる。そのとき、君はどう感じるだろう? 残念だと感じるなら、頼みごとを引き受ければいいし、逆に引き受けられなくてホッとするなら、断ってしまおう。

最後の方法として、英語のなかでもとびきりすてきな言葉を使う練習をしてみよう。それはキャンセル・エレーション、つまり何かがキャンセルされたときに感じる高揚感だ〔キャンセレーションにかけている〕。このツールを使うには、いったん頼みごとを引き受けたあとで、それがキャンセルになったと想像するだけでいい。もし喜びを感じるなら、それがキャンセル・ エレーションだ。その場合、どうすればいいかはわかっているね?

 

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