12月の今月読む本 その1

2011年12月7日 印刷向け表示
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ちょうど1年前、今ではHONZ代表・成毛眞のブログで「本のキュレーター勉強会」の募集を見た。その内容は衝撃的で、かねがね私が思っていた、もっとノンフィクションを広く紹介したいという気持ちとぴったり合うものだった。ただ、曲がりなりにも私はプロ。受け入れてもらえるかビクビクしながら、課題に沿った書評を送ったのが昨日のことのようだ。

今日は12月の例会。12回目。一年が過ぎた。初めて会うメンバーにおそるおそる話しかけた日が嘘のようだ。みんな、孤独な本読みで出会った日からソウルメイト!代表・成毛も含めて、みんなよく言えば読書家、いわゆる活字中毒者たちばかりだった。

キャラクターも徐々に表れはじめて、書店で本をみると、だれがそれを選ぶかわかるようになってきた。本離れとか出版不況という言葉はHONZの辞書にはない。

さて、色物担当・栗下とベンチャーに燃える山本、そして軍歌で精根尽き果てた濱崎が本日休み。ゲストに新座で農業を営む、尾崎秀寿がゲストで参加。尾崎さんは成毛と知り合いで、以前HONZで紹介した『かたち』という本の表紙に使われた「ロマネスコ」というカリフラワーの栽培をされている。内藤順がブロッコリーとカリフラワーの違いが判らないと書いたの読んで、わざわざ持ってきてくださったのだ。

仕事で泣く泣く休みの山本尚毅からの「今月読む本」から始めよう。

最終兵器の夢――「平和のための戦争」とアメリカSFの想像力

最終兵器の夢――「平和のための戦争」とアメリカSFの想像力

  • 作者: H.ブルース・フランクリン、上岡 伸雄
  • 出版社: 岩波書店

  • 発売日: 2011/11/26

最終兵器の夢

暇と退屈の倫理学

暇と退屈の倫理学

  • 作者: 國分 功一郎
  • 出版社: 朝日出版社

  • 発売日: 2011/10/18

危機の指導者チャーチル (新潮選書)

危機の指導者チャーチル (新潮選書)

  • 作者: 冨田 浩司
  • 出版社: 新潮社 (2011/09)

  • 発売日: 2011/09

すっかりメンバーに馴染み、最初からいるような雰囲気の麻木久仁子

正しいパンツのたたみ方――新しい家庭科勉強法 (岩波ジュニア新書)

正しいパンツのたたみ方――新しい家庭科勉強法 (岩波ジュニア新書)

  • 作者: 南野 忠晴
  • 出版社: 岩波書店
  • 発売日: 2011/2/19

家庭科と社会だけきっちり学んでいればあとはいいんじゃないか、と。

この本は出版当時、話題になっていた。

「海は誰のものか 東日本大震災と水産業の新生プラン」

「海は誰のものか 東日本大震災と水産業の新生プラン」

  • 作者: 小松正之
  • 出版社: マガジンランド; 初版
  • 発売日: 2011/10/13

この著者は、以前、捕鯨の会議でひとり吠えて有名になった人だという。

日本の音 (コロナ・ブックス)

日本の音 (コロナ・ブックス)

  • 作者: コロナ・ブックス編集部
  • 出版社: 平凡社
  • 発売日: 2011/7/26

これはきれいな本だなあ。

相変わらず本にカバーをかけて隠し持つ内藤順

スサノオの数字―古代出雲と富士山ラインに隠された刻印の謎を追う

スサノオの数字―古代出雲と富士山ラインに隠された刻印の謎を追う

  • 作者: 大井 道範
  • 出版社: 幻冬舎ルネッサンス
  • 発売日: 2011/11/30

スサノオ系の神社は地震を抑えるために建てられているという研究書。

この手の本が大好きな新井文月の目が光る。

隠語の民俗学---差別とアイデンティティ

隠語の民俗学—差別とアイデンティティ

  • 作者: 礫川 全次
  • 出版社: 河出書房新社
  • 発売日: 2011/11/25

マタギの言葉を調べていくと、アイヌ語に近づく、というような、特別な言語にまつわる民俗学。

最近の河出書房新社のラインナップはすごい。

コーヒーの真実―世界中を虜にした嗜好品の歴史と現在

コーヒーの真実―世界中を虜にした嗜好品の歴史と現在

  • 作者: アントニー ワイルド、Antony Wild、、Antony WildのAmazon著者ページを見る、検索結果、著者セントラルはこちら、三角 和代
  • 出版社: 白揚社; 新装版 (2011/10)
  • 発売日: 2011/10

以前出た本の再刊らしい。薄い本なのに高価だ。酒の飲めない内藤らしい選書。

今回はカブるよなあ、とおずおずと本を出した高村和久

未解決事件(コールド・ケース)―死者の声を甦らせる者たち

未解決事件(コールド・ケース)―死者の声を甦らせる者たち

  • 作者: マイケル カプーゾ、Michael Capuzzo、日暮 雅通
  • 出版社: 柏書房 (2011/12)
  • 発売日: 2011/12

ビンゴ!ワタシのイチオシと一緒だ。アメリカで未解決事件だけを担当する私立探偵たちのノンフィクション。相当面白そうなのだ。

新版 茶の湯読本

新版 茶の湯読本

  • 作者: 井口 海仙
  • 出版社: 淡交社; 新版
  • 発売日: 2011/10/20

著者没後30年を記念した一冊。

蕩尽王、パリをゆく―薩摩治郎八伝 (新潮選書)

蕩尽王、パリをゆく―薩摩治郎八伝 (新潮選書)

  • 作者: 鹿島 茂
  • 出版社: 新潮社 (2011/11)
  • 発売日: 2011/11

昭和初期、パリで800億ドル使った日本人セレブを鹿島茂が描く。興味わくなあ。

珍しい紫色のカリフラワーをもらって、ホクホクの東えりか

二ギハヤヒ---『先代旧事本紀』から探る物部氏の祖神

二ギハヤヒ—『先代旧事本紀』から探る物部氏の祖神

  • 作者: 戸矢 学、、戸矢 学のAmazon著者ページを見る、検索結果、著者セントラルはこちら
  • 出版社: 河出書房新社
  • 発売日: 2011/11/30

日本の最初の天皇は物部氏であったのか?古代史の専門家、戸矢学の本はいつもチェックしている。

韓国天才少年の数奇な半生―キムウンヨンのその後

韓国天才少年の数奇な半生―キムウンヨンのその後

  • 作者: 大橋 義輝
  • 出版社: 共栄書房 (2011/10)
  • 発売日: 2011/10

かつてテレビに出ていた天才少年少女は果たして今どうしているのだろう?

そんな興味から買った本。

中国モノマネ工場――世界ブランドを揺さぶる「山寨革命」の衝撃

中国モノマネ工場――世界ブランドを揺さぶる「山寨革命」の衝撃

  • 作者: 阿甘、生島大嗣、徐航明/永井麻生子、徐航明、永井麻生子
  • 出版社: 日経BP社
  • 発売日: 2011/11/17

一時の「模倣」はコピー、普遍の「模倣」は革命――。

この帯にひきつけられて購入。

何があったか頭をボウズにし髭をそり落として、修行僧のような土屋敦

心の視力―脳神経科医と失われた知覚の世界

心の視力―脳神経科医と失われた知覚の世界

  • 作者: オリヴァー・サックス、大田 直子
  • 出版社: 早川書房
  • 発売日: 2011/11/25

オリヴァー・サックスの新刊。すでにメンバーの3人が読んでいることが判明。

みんな早すぎる。

逃げる公家、媚びる公家―戦国時代の貧しい貴族たち

逃げる公家、媚びる公家―戦国時代の貧しい貴族たち

  • 作者: 渡邊 大門
  • 出版社: 柏書房 (2011/11)
  • 発売日: 2011/11

先日、麻木が書評した江戸時代の天皇に近侍していた公家たちが、いかに情けなかったかという本

写真の裏の真実―硫黄島の暗号兵サカイタイゾーの選択

写真の裏の真実―硫黄島の暗号兵サカイタイゾーの選択

  • 作者: 岸本 達也
  • 出版社: 幻戯書房 (2011/11)
  • 発売日: 2011/11

太平洋戦争、硫黄島の戦いで残された写真を追った一冊。

本日もオーストラリアからPCを通して参加の久保洋介

飢える大陸アフリカ―先進国の余剰がうみだす飢餓という名の人災

飢える大陸アフリカ―先進国の余剰がうみだす飢餓という名の人災

  • 作者: ロジャー サロー、スコット キルマン、Roger Thurow、Scott Kilman、岩永 勝
  • 出版社: 悠書館 (2011/10)
  • 発売日: 2011/10
世界が賞賛した日本の町の秘密 (新書y)

世界が賞賛した日本の町の秘密 (新書y)

  • 作者: チェスター・リーブス、服部 圭郎
  • 出版社: 洋泉社
  • 発売日: 2011/12/6
牡蛎と紐育(ニューヨーク)

牡蛎と紐育(ニューヨーク)

  • 作者: マーク カーランスキー、Mark Kurlansky、山本 光伸
  • 出版社: 扶桑社 (2011/11)
  • 発売日: 2011/11

すでに成毛は読了。「おもしろかったよん」とのこと。

すっかり武闘派のイメージになってしまったブックハンター・鈴木葉月

おもちゃの科学セレクション[第一巻]

おもちゃの科学セレクション[第一巻]

  • 作者: 戸田 盛和、時枝 正
  • 出版社: 日本評論社
  • 発売日: 2011/11/15

この2,3も持ってきていたので、終わりか?と思ったらこれで1冊分だって。

おもちゃの科学セレクション[第一巻]

おもちゃの科学セレクション[第一巻]

  • 作者: 戸田 盛和、時枝 正
  • 出版社: 日本評論社
  • 発売日: 2011/11/15
小澤征爾さんと、音楽について話をする

小澤征爾さんと、音楽について話をする

  • 作者: 小澤 征爾、村上 春樹
  • 出版社: 新潮社
  • 発売日: 2011/11/30

かなりマニアックなクラッシックについての対談だそうだ。

家紋歳時記

家紋歳時記

  • 作者: 高澤 等
  • 出版社: 洋泉社
  • 発売日: 2011/11/15

そういえば、嫁いだ先の家紋、知らないや。

糖質制限ダイエットですっかりスリムになった成毛眞

執事とメイドの裏表 ─ イギリス文化における使用人のイメージ

執事とメイドの裏表 ─ イギリス文化における使用人のイメージ

  • 作者: 新井 潤美
  • 出版社: 白水社
  • 発売日: 2011/11/22

執事だの家政婦だの最近の流行である。

手術器械の歴史

手術器械の歴史

  • 作者: C.J.S. トンプソン、C.J.S. Thompson、川満 富裕
  • 出版社: 時空出版 (2011/12)
  • 発売日: 2011/12

マニアックな本は選ばない、って言ったのに…

怪優伝――三國連太郎・死ぬまで演じつづけること

怪優伝――三國連太郎・死ぬまで演じつづけること

  • 作者: 佐野 眞一
  • 出版社: 講談社
  • 発売日: 2011/11/16

三国連太郎に佐野真が取材。面白くないわけがない。

大学院時代にジムへ通いづめ、ベンチプレス100キロを挙げられるようになった村上浩

物理的な理論から入る本格派。

英国メディア史 (中公選書)

英国メディア史 (中公選書)

  • 作者: 小林 恭子、、小林 恭子のAmazon著者ページを見る、検索結果、著者セントラルはこちら
  • 出版社: 中央公論新社
  • 発売日: 2011/11/9

すごい付箋の数に圧倒される。

骨から見る生物の進化【普及版】

骨から見る生物の進化【普及版】

  • 作者: J・ド・パナフィユー、小畠 郁生(監訳)、X・バラル、P・グリ、吉田 春美
  • 出版社: 河出書房新社
  • 発売日: 2011/11/18

メンバー全員から「ああ!」という声が上がる。

みんなが注目しているけど厚くて重いので選ばなかった本。

でもきれいなんだよね。

赤羽橋近くの商店街のシャッターに美しい絵を描いた新井文月

アイ・ウェイウェイは語る

アイ・ウェイウェイは語る

  • 作者: アイ・ウェイウェイ、ハンス・ウルリッヒ・オブリスト、坪内 祐三(文)、尾方 邦雄
  • 出版社: みすず書房
  • 発売日: 2011/11/2

中国で軟禁状態にある詩人で活動家。実は成毛とツイッター仲間だとか。今日のエントリー。

流れ: 自然が創り出す美しいパターン

流れ: 自然が創り出す美しいパターン

  • 作者: フィリップ ボール、Philip Ball、塩原 通緒
  • 出版社: 早川書房
  • 発売日: 2011/11/25

『かたち』シリーズの2作目。3作目は『枝分かれ』ですって。

布の記憶 江戸から昭和―受け継がれる用美

布の記憶 江戸から昭和―受け継がれる用美

  • 作者: 森田直、高安和実
  • 出版社: 青幻舎
  • 発売日: 2011/12/10

古い着物の処分に困っているという。なんらかの流れができないかと考えているそうだ。

さて、これで一巡目。

おまけもいろいろありますが、今日はここまで。

あとはこっそり週末の夕方にでも更新します。

決定版-HONZが選んだノンフィクション (単行本)
作者:成毛 眞
出版社:中央公論新社
発売日:2021-07-07
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