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『葬送の仕事師たち』モノトーンの彩り、サイレントの響き
葬儀とは誰にとっても一生に一度しか訪れないライフ・イベントであり、聖と俗を隔てる「結界」のような空間で行われる。その中で裏方として、…more
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『ナチスと精神分析官』ナチ気質という未解決問題
2015年4月3日第二次世界大戦が終わってから70年近くが経つにもかかわらず、いまだナチスというのは悪のレベルを推し量る一つの「ものさし」である。狂信…more
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『天才を生んだ孤独な少年期』つながりの過剰は愚民社会の到来を招くか?
2015年3月21日本書に登場するのは、レオナルド・ダ・ヴィンチ、アイザック・ニュートン、トーマス・エジソン、夏目漱石、アルベルト・アインシュタイン、そ…more
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『境界の民』 難民、遺民、抵抗者。彼らには”近代”が訪れなかった
2015年3月11日境界の民ーー国民国家というシステムから弾き出された彼らには、「近代」が訪れなかったと言えるのかもしれない。中世と現代が、ダイレクトに…more
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もしもあなたの弁当がキャラ弁だったなら『今日も嫌がらせ弁当』
2015年2月21日舞台は伊豆諸島の一つ、八丈島。この島に住むシングルマザーの母親と、丁度反抗期に差し掛かったばかりの高校生になる娘が登場人物。つれない…more
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サイコパスと診断された科学者が語る『サイコパス・インサイド』
2015年2月11日サイコパスの研究者が、サイコパスであったーーこの衝撃の事実を皮切りに物語は始まる。科学者視点による所見と自分自身のこれまでの体験、二…more
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『すべては1979年から始まった』今を読み解く「市場」と「宗教」の連立方程式
2015年2月3日混迷を極める現代がどのような構図で成り立っているのか、それを知るために今ほど書店が役に立つ時はない。右にピケティ、左に「イスラム国」…more
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これぞ機上の空論か!『ビックリ飛行機でゆく世界紀行』
2015年1月21日著者のチャーリィ古庄氏は、飛行機という交通手段そのものをエンタテイメントと捉え、「世界で最も多くの航空会社に搭乗した人」としてギネス…more
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その”時代錯誤”は戦略なのか? 『イスラム国 テロリストが国家を作るとき』
2015年1月11日本書のテーマとなっている「イスラム国」という存在についても、数多くの残虐な振る舞いがニュースやソーシャルメディアを通じて喧伝され、そ…more
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『オートメーション・バカ』快適さの代償は、どれくらい?
2015年1月1日タイトルからも一目瞭然であるように、本書はオートメーション化していく世の中に対して警鐘を鳴らす一冊である。とは言っても、不可逆な流れ…more
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『絶対に行けない世界の非公開区域99』行けない場所にはワケがある
2014年12月23日これだけ交通手段も発達し、情報化が進んだとはいえ、まだまだ世界は広い。宗教、科学、歴史、戦争、様々な分野において、限られた人間しか立…more
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『ぼくは物覚えが悪い』海馬を失った男は、永遠に続く30秒を生きた
2014年12月1日年の瀬ともなると、私たちは過去の出来事を頭の中で再現し、その情動を元に未来へ思いを馳せる。年を忘れるというくらいだから、辛かったこと…more
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『黒幕』 - 最後の情報屋は、右と左と表と裏を制した男
2014年11月24日最後の情報屋ーー石原俊介。「兜町の石原」とも呼ばれた男は、情報を生業とする人間にとって必ず挨拶すべき人と位置づけられ、彼が発行する『…more
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『月をマーケティングする』PDCAを回し続ければ、人類は火星に行けるのか。
”人類がまだ火星に行っていないのは、科学の敗北ではなくマーケティングの失敗なのだ。”ここ数週間、本書のオビに書かれていた言葉が頭から…more