首藤 淳哉
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『アウトサイドで生きている』自分の衝動や快楽にきわめて忠実な18名の表現者たち
2017年5月25日アウトサイダー・アートは、市場の論理とは遠く離れた場所で作品がつくられるだけに、あざとい計算などとは無縁だ。制作者の熱情や衝動、キラ…more
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『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』自分がいま立っているその足元から発せられる言葉
2017年5月11日本書で描かれる英国社会の格差と分断の情景はショッキングなものだ。著者は2008年に保育の現場に飛び込んだ。彼女が「底辺託児所」と呼ぶ…more
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『物理学者の墓を訪ねる ひらめきの秘密を求めて』死者と過ごす静かな時間
2017年5月1日著者の墓参りは、観光ついでにちょっと立ち寄るなんて生易しいものではない。それはまず入念な下調べからスタートする。というのも、ヨーロッ…more
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『本屋、はじめました』と『ローカルブックストアである』本屋の仕事の本質は、「待つ」に凝縮されている
2017年4月21日本屋の仕事の本質は、「待つ」に凝縮されているのではないかと言う。本との出合いを求めていつかやって来るかもしれないたくさんのまだ見ぬ客…more
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『コンスタンツェ・モーツァルト 「悪妻伝説の虚実」』本当に「琥珀の中に閉じ込められた蠅」のようだったのか?
2017年4月13日『コンスタンツェ・モーツァルト 「悪妻伝説の虚実」』は、世界三大悪妻とまで称されるモーツァルトの妻の実像に迫った一冊。伝説というもの…more
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『中南米野球はなぜ強いのか』中南米諸国の取材を通して浮かび上がる、日本野球の欠点
2017年4月1日『中南米野球はなぜ強いのか』は、ドミニカ、オランダ領キュラソー、キューバ、ベネズエラといった中南米諸国を足掛け4年にわたって取材し、…more
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『家族最後の日』植本一子の見えすぎる目
2017年3月3日植本一子の凄いところは、新作を発表するたびにメガ進化しているところだ。本書では3つのヘビーな出来事が語られる。広島に住む母との訣別、…more
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『宮沢賢治の真実 修羅を生きた詩人』誰も見たことのない宮沢賢治を描く
2017年3月1日"賢治を愛する者は、誰もが「自分だけの賢治像」を大切に持っている。ぼくの場合は「超一流の教師」「歩く人」「大正の煩悶青年」の3つだ。…more
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『フィリピンパブ嬢の社会学』学問を踏み越えて、愛する人とともに
2017年2月27日本書は、在日フィリピン女性の生活を研究するうちに、フィリピンパブで働くホステスとデキてしまった青年が、その実態を赤裸々に描いたユニー…more
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『パスポート学』私が私であること、それを証明すること
2017年2月7日本は迷わず買うほうだが、それでも店頭だとパラパラとページをめくってみたり、少しだけ前書きや後書きを読んでみたりする。そんな中、表紙を…more
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『ポピュリズムとは何か 民主主義の敵か、改革の希望か 』本当に恐れるべきなのは失望感
2017年1月31日本書は、ポピュリズムの主張にはデモクラシーの理念そのものと重なる部分が多いと指摘する。事実、欧米のポピュリズム政党は、直接民主主義的…more
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『寿命図鑑 生き物から宇宙まで万物の寿命をあつめた図鑑』ブラジャーの寿命は、本当に13ヶ月なのか?
"冒頭の「動物の寿命」からして、子どもにとっては衝撃的なようだ。ハツカネズミのかわいいイラストとともにいきなり「寿命1年」と出てくる…more
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『東大VS京大 入試文芸頂上決戦』国語の入試問題から、時代の流れが見えてくる
2017年1月15日"戦後教育がはじまった年から2016年の春までに、わが国の最高学府の2トップをなす東大と京大で出題された国語の入試問題を読んでみたと…more
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『ヒットの崩壊』聴取から体験へという大変化
2017年1月14日音楽の受容形態が「聴取」から「体験」へと大きく変化したことで、コンテンツの創り手がより頭を悩ませるようになったのは、この「体験」の中…more
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『コンピュータが小説を書く日 AI作家に「賞」は取れるか』書くことを通して人は「何か」を生み出す
2016年12月27日「書くこと」とは何か。人は「書くこと」を通して物事への理解を深める。書く前にはわからなかったことが、書くことによって理解できるように…more