成毛 眞
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『ノモレ』アマゾンの先住民を描いたノンフィクション文学の金字塔
2018年7月21日一昨年夏に放送されたNHKスペシャル「大アマゾン 最後のイゾラド」の姉妹作品である。イゾラドとは、文明社会と接触したことのないアマゾ…more
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『細菌が人をつくる』糞便移植も効果アリ?! 細菌100兆個の最新知識
うつ病や自閉症などの脳の病気も腸に関係しているという研究が報告されはじめた。過食症や肥満傾向も腸の影響を受けているという研究もある。…more
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『経営者 日本経済生き残りをかけた闘い』「伝説の記者」が描いた日本の近代資本主義
2018年5月29日「伝説の記者」と呼ばれていた著者は四半世紀にわたり永野塾という早朝勉強会を主宰していた。参加者の多くは若い記者や編集者たちだった。の…more
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『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』本が宝物だったころ イタリアの山村、モンテレッジォの物語
ツイードジャケットは英国製よりもイタリア製のほうが好きだ。柔らかく、シワになりやすいが、肌に馴染んで、なによりも色合いが美しい。本書…more
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『合成生物学の衝撃』生物学、その先の未来
2018年5月17日現代物理学の応用製品が日常生活に登場するまで半世紀。そろそろ生物学も我々の日常生活にインパクトを与える頃だ。本書はその最先端をのぞく…more
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『すごい廃炉 福島第1原発・工事秘録<2011~17年>』一般メディアが語らない前代未聞の巨大な”現場”
2018年3月16日福島県双葉町・大熊町では新国立競技場の建設をはるかに凌ぐ規模の工事が進んでいる。敷地面積は30倍の350万平米、総工費は50倍の8兆…more
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このカップルが大好き…『されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間』
著者は『最貧困女子』や『老人喰い』などのルポ作品で、犯罪現場の貧困問題をえぐり出してきた気鋭のノンフィクション作家だ。働き盛りの44…more
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『物流は世界史をどう変えたのか』物流が国家や歴史を変えた?
『物流は世界史をどう変えたのか』は紀元前12世紀に地中海で活躍したフェニキア人、17世紀に世界初のヘゲモニー国家になったオランダ、1…more
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『オリバー・ストーン オン プーチン』あの社会派監督が密着取材 北の帝王のもう一つの見方
2018年2月17日米国の社会派監督として知られるオリバー・ストーンは2015年から2年間かけてプーチン大統領に密着インタビューし、その模様を連続ドキュ…more
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『酒好き医師が教える 最高の飲み方』呑むべきか呑まざるべきか 年末年始の反省とともに
2018年1月20日酒と健康についての本などは敬遠してしまう。どうせ休肝日を設け、適量を守れ、などと書いているだけだろう。守れるわけがない。本書はまさに…more
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『絶滅危惧職、講談師を生きる』人気の若手講談師が本気で語る革命的芸道論
本書は、いつかは名人と呼ばれることになるであろう講談師と、文芸評論家にして作家でもある杉江松恋の掛け合いで構成された読み物だ。しかし…more
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『アフター・ビットコイン』ブロックチェーンが金融界を変える
『アフター・ビットコイン』はブロックチェーンを知るための最高峰だ。評者としては「2017年ビジネス書ベスト」に推したい。各国の中央銀…more
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『レッド・プラトーン 14時間の死闘』ある小隊の対タリバン攻防戦 濃密な描写による記録文学
2017年11月10日読後感はひとこと「凄絶にして重厚な戦争映画を飽きることなく最後まで観てしまった」である。本書はアフガニスタンの一拠点における14時間…more
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『佐治敬三と開高健 最強のふたり』
2017年10月22日本書は佐治敬三と開高健の二人の物語だ。著者の北康利さんはこの二人を正確に描き出すために膨大な数の資料を集めた。巻末に主な参考文献がリ…more
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『組長の妻、はじめます。』犯罪社会学者による労作 そして異常な面白さ
2017年10月15日数多の犯罪に手を染めながら、ヤクザの組長の妻に納まり子供を授かることで、やっと更生した女の半生記である。父は大阪市生野区の在日韓国人…more