成毛 眞
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『海の地政学』元NATOの「天才」が戦略提言&回顧録
原書のタイトルは『シー・パワー』。まさに海の地政学なのだが、たんなる軍事外交専門書に留まってはいない。「七つの海」の戦史や現状分析、…more
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『スリーパー 浸透工作員 警視庁公安部外事二課』秋の夜長に自信をもっておススメする、国際謀略警察小説
2017年10月3日『スリーパー』は政府内の暗闘や警察組織内の対立を背景に、北朝鮮のスパイ組織を追わざるを得なくなった元外事警察官の物語だ。外事警察のウ…more
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『大学病院の奈落』「新聞協会賞」受賞記者がスクープの裏側を詳細に描く
2017年9月15日2015年9月、読売新聞東京本社は同年度の新聞協会賞を受賞した。受賞理由は「群馬大学病院での腹腔鏡手術をめぐる一連の特報」である。そ…more
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『戦争がつくった現代の食卓 軍と加工食品の知られざる関係』20世紀の食を発展させたのは「ミリ飯」の技術開発だった
2017年8月6日ミリ飯。小さなご飯という意味ではない。ミリタリーすなわち軍隊で支給される携行食のことである。海軍や空軍はそれぞれ艦内や基地に厨房があ…more
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『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』本好きにしか判らないこの楽しさとおかしさ
2017年7月9日もしあなたが軽度の活字中毒を自任しているとしたら、おススメの一冊だ。内容はじつに他愛もない。カップ焼きそばの作り方、すなわちお湯をい…more
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『ルポ 絶望の韓国』経済格差、学歴社会…どの側面も韓国は「生きにくい」
2017年6月13日本書は政治・歴史・経済・教育・社会・軍事・外交の7章で構成されている。記述は淡々として中立的だが、内容は韓国が社会のあらゆる側面で絶…more
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『東芝 大裏面史』巨大企業を崩壊させた原発ビジネスの裏側
2017年6月11日本書はFACTAに掲載された27本の東芝関連記事と、編集長である阿部重夫氏が本書のために書き下ろした記事で構成された芯のある本だ。収…more
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『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』爆笑必死の科学エッセイ いったい彼らは何者か?
2017年5月14日この本を不用意に通勤電車の中で読んではいけない。爆笑必至のサイエンスエッセイなのだ。なんとか笑いを噛み殺しながら読み進めても、どこか…more
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どうしても手元に欲しかった本『失われたパリの復元 バルザックの時代の街を歩く』
19世紀パリの専門家にして稀代の古書コレクターである鹿島茂は、30年ほど前のことマルシアルという銅版画家が『いにしえのパリ』という画…more
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『無冠の男 松方弘樹伝』「最後の映画スター」のあの眼力が蘇る
2017年4月2日本年1月21日、俳優・松方弘樹が脳リンパ腫のため亡くなった。享年74。本書は松方が闘病生活に入る前、2015年に行われた取材をもとに…more
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『毒々生物の奇妙な進化』”悪魔の生物兵器”が見せる深遠な生物進化史
マレーシアで金正男が暗殺された。VXという毒物が使われたと報じられている。この物質は人類がつくりだした化合物でもっとも毒性が高いと言…more
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『宇宙はなぜ「暗い」のか?』絵本にして科学推理小説
2017年2月27日優れた科学読み物は大人の絵本である。量子論や分子生物学などの先端科学は、専門用語を理解し、わずかな時間、記憶するだけでも素人にとって…more
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『わたしはこうして執事になった』なぜ「使用人」になるのか? 何が楽しみなのか?
2017年2月4日数年前にチャーチルの生家、ブレナムパレスに行ったことがある。その真ん中に屹立するのは200以上の部屋を持つまさにお城であり、その中で…more
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『京舞つれづれ』人間国宝の家元が綴る、男子禁制の舞、花街の宝
2017年1月5日著者は京舞井上流のお家元、五世 井上八千代さんである。本書は自身の生い立ちや、舞のなんたるかを後世に伝えるべく、お家元みずからの言葉…more
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『戦略家ニクソン』『イラク建国』『ルワンダ中央銀行総裁日記』の3冊から、現代史を学ぶ
2016年12月5日没後ほぼ四半世紀を経て、その功績や人物像が見直されつつある国家リーダーが2人いる。田中角栄とリチャード・ニクソンだ。ニクソンはエヴァ…more