栗下 直也
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『上野アンダーグラウンド』昭和の怪しさを訪ね歩く
2016年8月13日なぜ、人々は上野に惹きつけられるのか。上野は北関東や東北への玄関口となるターミナル駅。雑多で田舎くさく、どことなく懐かしいがそれだけ…more
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『一投に賭ける 溝口和洋、最後の無頼派アスリート』常識を嗤い続けた男
2016年7月10日1989年、日本人がやり投げで「幻の世界記録」である87メートル68センチを投げたことを覚えている人はいるだろうか。「疑惑の再計測」…more
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『不自由な男たち』サラリーマンにならなきゃだめですか?
2016年6月30日主夫になりたいと思ったことがある。2日ほどひとりで育児を朝から晩までして、断念した。育児の不条理さの前に呆然と立ちすくし、思いつきで…more
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『昭和芸人 七人の最期』舞台が終わっても、人生は続く
2016年6月23日"登った山が高ければ高いほど、下るのは大変だ。一世を風靡した芸人たちにとっても、栄光が去った後の人生は長い。 喜劇王として歴史…more
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『されど人生エロエロ』人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた
2016年5月20日"タイトルの「されど」が良い。人には仕事や趣味、家庭、習い事などいろいろあり、エロは「しょせんエロ」とされがちだ。だが、結局、人生は…more
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『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』恋も仕事も、わがまま上等
2016年5月10日アナキスト大杉栄のパートナーで関東大震災後に大杉とともに虐殺された伊藤野枝の評伝だ。過激なタイトルだが、ページをめくって腰を抜かす。…more
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『犯罪の世間学』なぜ日本では略奪も暴動もおきないのか
2016年2月10日"90年代末以降、刑事司法の厳罰化が進んでいる。80年代からは量刑はざっと見て倍になり、00年の少年法改正を皮切りに法律改正のラッシ…more
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『性風俗のいびつな現場』支援か搾取か
2016年1月20日"女性の貧困がメディアを賑わして久しい。働く単身女性の3人にひとりが年収112万円以下との統計もある。こうした貧困女性の中でも福祉の…more
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『エロ本黄金時代』Wikipediaではわからない歴史がある
2015年12月23日表紙とタイトルから想像できないが、文体も内容も驚くほど硬派だ。エロ本を論じているのに全くエロくない。確かに小中学校のPTA会長のお母…more
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『巨人軍の巨人 馬場正平』ジャイアント馬場への助走
2015年12月3日「果たして野球人の馬場とはどんな選手だったのか」を解き明かすのが、本書の大きな狙いの一つだ。著者は約半世紀前の記録をひもときながら、…more
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『殺人犯との対話』人は人をなぜ殺すのか
2015年11月20日本書では北村孝紘、松永太、角田美代子など平成の凶悪殺人事件の主犯10人に迫っている。凶悪という言葉がかすむほど、彼らの犯行は理不尽で…more
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『エラい人にはウソがある』 中国の出川哲朗?ダメっぷりこそ孔子の魅力
「昔は良かったよねー」とぼやき、ノスタルジーという名のお花畑に住む老人や、世にはびこる非科学な通説を統計を使って切り捨ててきた謎のイ…more
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『たのしいプロパガンダ』 大衆煽動は娯楽の顔をしてやってくる
2015年10月20日"タイトルに違和感を持つ人は多いかもしれない。政治宣伝を意味する「プロパガンダ」と聞けば、権力者を讃える映像や音楽を嫌々に観たり聞い…more
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『世界のしゃがみ方』-便所ナショナリズムをこえて
2015年9月30日本書を読むと、自分の認識が浅はかであったことを思い知る。立ってすることにこだわったことに対してではない。日本男児でなくても、ついこの…more
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草食系インドア派でも楽しめる『秘島図鑑』
"「どこか遠くの島にでも行きたい」。そんなことを今夏も考えていたが、行けぬままにすでに9月も半ば。そんな悶々とした気分をさらに悶々と…more