新潮文庫
読者の高い知的欲求に充実のラインナップで応える新潮文庫は1914年創刊、来年100年を迎えます。ここでは、新潮文庫の話題作、問題作に収録された巻末解説文などを、選りすぐって転載していきます。新潮文庫のサイトはこちら
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『発掘狂騒史 「岩宿」から「神の手」まで』
2017年2月1日この書は事実を書き起こしたただの事件物ノンフィクションではない。日本考古学界の流れとあの事件への流れを第二次大戦による国民の貧困を挟…more
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『三省堂国語辞典のひみつ 辞書を編む現場から』三省堂国語辞典の行間
2017年1月29日言葉の「正しさ」なるものを求めて、国語辞典をひく人は大勢います。むしろ、学校教育で「正解」と「不正解」を教えられてきた人にとっては、…more
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『浅草博徒一代 アウトローが見た日本の闇 』この一冊がボブ・ディランの魂を揺さぶった(のかもしれない)
2016年12月10日ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞とともに、ある一冊の文庫が突如脚光を浴びた。浅草一帯に勢力を張った伝説の博徒、伊地知 栄治の生涯を…more
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『身体巡礼』解剖的なひとのまなざし
2016年12月3日まさに養老節としか言いようがない。長年の経験、特異な感性、人柄、文才といったものの融合である。真似できそうでできない。そのことを私自…more
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『組長の娘 ヤクザの家に生まれて』リアルな昭和ヤクザの「証言者」
2016年11月1日あの人は、ヤクザの組長の娘だ――そう言われた場合、読者の皆さんは、どのようなイメージを持たれるだろうか。ヤクザといっても、地域性も組…more
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『本当はひどかった昔の日本 古典文学で知るしたたかな日本人 』
2016年8月31日ざっくばらんなひかりナビという雑談の名手の大塚さんは、昔の日本はひどかった、ということを強調したいのではないような気もする。こんなひ…more
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『ケインズかハイエクか 資本主義を動かした世紀の対決 』
2016年8月4日吹いてくる風になびく論者は日本にも多数存在するが、ケインズとハイエクの両者だけは、裏切られようと定点のように立ち位置を変えなかった。…more
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『それでも、日本人は「戦争」を選んだ 』
2016年6月30日加藤陽子さんの『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』は、2010年度の第九回小林秀雄賞の受賞作です。その時に選考委員だった私は、半ば…more
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『ジュエリーの世界史』宝石商という商売
2016年6月28日企業として見た宝石商の特色は、大企業が存在しないことにある。アメリカにはさすがに、年商が1000億円を超える企業が二つほどあるが、こ…more