HONZ記事
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『食べることと出すこと』想像しようという努力、想像できるという傲慢
2020年9月24日"本書は、単に「難病患者の苦労話」ではない。当事者として丁寧に事実を積み上げてこそ見えてきた、私たちの社会のあり方への、大事な視点の…more
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『全体主義の克服』「現代の全体主義」に立ち向かう二人の哲学者
本書は、マルクス・ガブリエルと中島隆博という、ドイツと日本を代表する哲学の泰斗が、これまでとは全く異なる視点で哲学のあり方を論じた新…more
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『人新世の「資本論」』未来を構想する新しい思想の誕生!
2020年9月23日"この興奮が醒めないうちに書いておきたい。凄い本を読んだ。マルクスを現代にアップデートさせた研究で世界的な注目を集める俊英・斎藤幸平…more
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“不可能” を追い求めた科学者の冒険 『「第二の不可能」を追え! ― 理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ』
宇宙物理学を専門とする著者スタインハートは、ちょっとしたきっかけから、「準結晶」という状態─水晶のような結晶でもない、結晶構造を持た…more
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『ドキュメント 感染症利権 医療を蝕む闇の構造』国民の健康より省益優先、感染症の意思決定の歴史
2020年9月19日"「隔離」は感染症対策の基本だが、元患者や家族が日常生活を送れなくなるのは異常だろう。例えば、ハンセン病は21世紀になってようやく、…more
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『誰が命を救うのか 原発事故と闘った医師たちの記録』指揮命令系統が崩壊するなか、最前線に立った人々の記録
東日本大震災の原発事故。その大混乱のなか、負傷者の受け入れ先になったのは福島県立医科大学付属病院。県内で唯一の二次被ばく医療機関の指…more
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『Learn or Die 死ぬ気で学べ』最先端AI企業の挑戦
日本最大のユニコーン企業であるPreferredNetworks社。「噂には聞くがいまいち何をしているのかよく分からない会社」と言わ…more
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『贈与の系譜学』純粋な贈与を考える知的冒険
本書が面白いのは、真に純粋な贈与の思索を深めていることである。それは、かけがえのない唯一の最愛のものを贈ることであり、見返りや返礼を…more
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『とうがらしの世界』進化の過程から各地の料理まで
2020年9月11日トウガラシの起源は中南米である。1492年にコロンブスが数種類のトウガラシをスペインに持ち帰ったという記録があり、それが世界中に伝播…more
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『その名を暴け #MeToo に火をつけたジャーナリストたちの闘い』なぜ彼女は声を上げたのか、その先に何を見出したのか
ひと口に調査報道というが、調査することも報道することも、全体からすればパーツの1つにすぎない。調査に至るまでの情報提供者の説得、被害…more
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『交響曲第6番「炭素物語」 地球と生命の進化を導く元素』
2020年9月10日題名にちょっとクラクラ来てしまったが、サブタイトルにあるように地球と生命に関する正統の科学書である。メインテーマは宇宙に大量にある炭…more
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崖っぷちボクサー、狂気の挑戦 『一八〇秒の熱量』
2020年9月9日激アツな一冊だった。我を忘れてシャドーボクシングをはじめるくらいに。本書は、36歳のB級ボクサー米澤重隆が日本チャンピオンに挑む日々…more
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『家族遺棄社会 孤立、無縁、放置の果てに。』孤独に死にたくなければ、自分から胸襟を開くほかない
2020年9月8日この著者の本を読むのは初めてではない。なので、怖さはある程度予測できた。それでも、幾度となく背筋が凍る思いがした。この本で語られてい…more
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『美術展の不都合な真実』新聞社やテレビ局が主催する現状
2020年9月7日"著者は美術展を20年ほど企画してきた人物だ。本書では企画展がなぜ混雑するのか、美術作品はどのようにして選ばれるのか、展覧会自体はど…more