おすすめ本レビュー
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『クマムシ研究日誌』研究で培われた、生きるための力
2015年5月29日本書は、クマムシの生態が余すところなく描かれた一冊である。しかし、単にクマムシの特徴のみが解説された本ではない。その最大の特長は、ク…more
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『マシュマロ・テスト』誘惑をうまくやり過ごすために
目の前の報酬を取るか、しばし我慢して後でより多くの報酬を得るか。「マシュマロ・テスト」と名付けられたこの有名な実験を考案した第一人者…more
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『キム・フィルビー かくも親密な裏切り』30年間も友を裏切り続けた男
イギリスの上流階級に生まれた二人の男にはいくつもの共通点があったという。抑圧的で、権威主義的で偏屈、そして変人である父を持ち、確執を…more
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名作ノンフィクションの舞台裏『探検家の憂鬱』
2015年5月27日温かく親しみ深い人間性と、探検家としての孤高性、ノンフィクション作家としての冷徹さ、そのどれもが角幡氏の魅力だ。長編ノンフィクション…more
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「ぐりとぐら」創作の原点 『子どもはみんな問題児。』
2015年5月26日本書は、ミリオンセラー絵本『ぐりとぐら』の作者、中川李枝子さんが書いた教育エッセイだ。著者は、17年間保母として勤務したのち、絵本作…more
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『S,M,L,XL+: 現代都市をめぐるエッセイ』語り、それ自体が都市であるような
2015年5月25日中心の束縛、アイデンティティの拘束から解放された、今のニーズを追求し古いものを捨て去る現代的な都市を「ジェネリック・シティ」と名づけ…more
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『キム・フィルビー かくも親密な裏切り』 20世紀最悪のスパイは友情を武器にした
"キム・フィルビーはすべてを手にしていた。英国上流階級出身、ケンブリッジ大学卒業、愛する妻子と多くの気が置けない友人。仕事においても…more
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『ジハーディストのベールをかぶった私』IS幹部にプロポーズされた女性ジャーナリストの話
2015年5月21日本書はあるフランス人女性ジャーナリストが約1ヶ月間にわたって、IS幹部と直接やり取りを行った時の取材記録である。やり取りされた時期は…more
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中国権力中枢の最深部に迫る『十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争』
2015年5月19日これは凄い本だ。大手新聞紙の発行部数が下落し始めて久しいが、本書で描かれるような記者の情報収集能力の高さを目の当たりにすると、新聞社…more
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『ナポレオンに背いた「黒い将軍」』革命に咲いた黒い薔薇
18世紀、有色人種とりわけ黒人がその肌の色のみで差別され、奴隷として働かされていた時代に、ヨーロッパで一兵卒から将軍にまで上り詰めた…more
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『メモリアル病院の5日間』カトリーナの被害がもたらした教訓
"2005年8月末、巨大ハリケーンのカトリーナがアメリカ南東部を襲い、1800名以上の命が失われた。中でも被害の大きかったルイジアナ…more
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『ローラ・ブッシュ自伝 脚光の舞台裏』 アメリカでもっとも愛されたファーストレディ
500ページ二段組み。ひさびさにガッツリ読み応えのある自伝である。2001年から8年間、第43代アメリカ大統領ジョージ・W・ブッシ…more
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『東京都セレブ区福祉部』普段見えない世界
活気あり華やかなイメージある渋谷区であるが、区として大きな問題を抱えている。そして、その問題とは、「セレブ区」という響きから想像され…more
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おもろすぎっ!!『本当にあった医学論文』
タイトルの通り、医学専門誌に掲載された論文が、79編+75編、二冊あわせて154編も紹介されている。いやまぁ、ほんまによくこれだけ集…more