おすすめ本レビュー
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『サルコジ』 2回目
2009年06月05日昨日に引き続いてサルコジである。第4章以降はいよいよ政治家としてのサルコジについてだ。著者は最終章で作家クリスチャン・サルモンの言を引用しながら、戦後を政治家の属性によって3時代に分類する。「国を担う政治家の時代」「エキスパートの時代」「スト……more
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『サルコジ』 1回目
2009年06月04日本書は8章だて223ページの選書である。そして本稿は本書の第3章まで読んだところで書いている。第3章まででも、充分に紹介に値する本なのだ。あまりに面白い。残りはじっくり読みたいので、ひとまず第3章までをご紹介しよう。 …more
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『「人工冬眠」への挑戦』
2009年05月30日タイトルとサブタイトルが逆だったら、もっと早くに売れはじめたかもしれない。サブタイトルは『「命の一時停止」の医学応用』だ。「人口冬眠」に興味を持つ人が多いとは思われない反面、「命の一時停止」にはピンとくる人は少なからずいるのではないか。本書を……more
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『意外と知らない「社名」の話』 プレジデント6月15日号掲載書評
2009年05月25日高校を卒業してすぐ、札幌の実家の近くに小さな居酒屋ができた。悪友連中と良く通ったものだ。狙いは当時でもずば抜けて安い1杯250円の毛蟹だった。いつの間にかその居酒屋は全国チェーンの立派な会社になっていた。その店の名前は「つぼ八」。まさに8坪の……more
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『アンティキテラ 古代ギリシャのコンピュータ』
2009年05月22日文藝春秋翻訳出版部の『ハチはなぜ大量死したか』につづく快挙である。科学ノンフィクション翻訳部門2連勝だ。担当の下山進さんから会社に送っていただいていたらしいのだが、自宅でも当然買っていた。装丁デザインも本文の図版も素晴らしい。とりわけ書名のセ……more
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『科学的ゴルフの極意』
2009年05月20日著者は非科学的なものに対して攻撃を続ける物理学者だ。著者のエセ科学やオカルトに対しての攻撃姿勢については大いに感心するが、反論することそのものに夢中になるあまり、自身も突っ込まれることが多い人だ。。 …more
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『ゴルフの楽しみ方』
2009年05月02日著者はキャロウェイ社の技術トップである。ビッグバーサやヘブンウッドを開発した張本人である。キャロウェイ社とは世界最大のゴルフ用品メーカーであり、ビッグバーサやヘブンウッドとはキャロウェイを飛躍させたヒット商品のゴルフクラブである。 …more
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『Chinglish』
2009年05月01日中国人の英語の間違いを取り上げた本なのだが、二つの意味で笑うに笑えない。第1の理由は中国語に併記された英語を見て、少なからずその意味を理解してしまうからだ。英語だけみれば笑えるのだが、漢字と同時にみると違和感がなかったりする。たとえば「取水処……more
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『宇宙から見た日本』
2009年04月29日初版は2006年12月なのだが、先週末に吉祥寺の書店で見つけた本は2008年6月で第6刷だった。100ページ弱の衛星写真集なのだが売れているらしい。掲載されている写真は1990年代にLandsat/TMやTerra/ASTERの衛星画像データ……more
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ゴールデンウィークに読むべき本 『エコノミスト 5/5・12合併号』掲載
2009年04月27日世界同時不況のなか、中国が一人勝ちの様相を見せ始めた。上海総合指数は昨年10月に大底を打ち、最近では人民元を組み込んだSDR構想を持ち出すなど、強気そのものだ。悪い冗談だと思っていた「21世紀は中国の世紀」が現実性を帯びてきた。このあたりで中……more
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『日経サイエンス 2009年06月号』 地球に日よけ
2009年04月25日今月号のトップ記事は「量子もつれが相対論を脅かす」だが、これはもうボクにはとても難しい記事だった。ポピュラーサイエンス的に面白かったのは地球工学の記事「地球に日よけ」だ。温暖化対策として地球規模の日よけを作るという思考実験だ。 …more
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『『こころ』は本当に名作か』
2009年04月21日あまり文学好きではないボクが、本書を買ったのは「あとがき」が気に入ったからだ。水村美苗の『日本語が亡びるとき』をとことん批判しているのだ。まったく同感だ。この「あとがき」を読むまでは、文学者という人びとは水村のように現実離れした仙人のようなも……more