おすすめ本レビュー
-
『文藝春秋 2002年4月(今月買った本)』
2009年03月11日2002年から2009年まで月刊『文藝春秋』のコラム、「今月買った本」に年数回の割合で原稿を載せてもらった。このコラムはその月に買った本を十冊リストにして紹介し、そのうちの数冊の書評めいたものを書くというものだ。それでは、以下本文である。体裁……more
-
『宇宙の果てを探る』
2009年03月10日1000円の新書版の本だが、これはお買い得だ。美しい宇宙のカラー写真が100点ほど掲載されている。宇宙誕生、銀河系、太陽系、地球、銀河系の天体、地球外生命の6章で構成され、説明・写真ともに過不足ない。 …more
-
『ゴム銃 オフィシャルガイドブック』
2009年03月03日まずは、表紙を良くご覧いただきたい。本書で紹介されているさまざまな銃の中でも傑作が写真で紹介されている。この銃の名前は「サイドワインダー」。発射方式は電動ストリングリリース式。全長470mm、全高250mm、装弾数は200発だ。なんと適合装弾……more
-
『幕末明治の肖像写真』
2009年03月02日文字どおり幕末から明治にかけての肖像写真集である。天皇家、皇族、公家、志士、軍人、経済人などあらゆる分野から200人、450点の写真を収録している。装丁は良いのだが、本文デザインがダメすぎる。写真のレイアウトにインパクトも工夫もないし、文字が……more
-
『江戸の数学教科書』
2009年03月01日和算とは江戸時代に日本人が独自に生み出した数学のことだ。この和算は寺子屋とは別の塾で教えられていたらしい。以前、紹介した『幕末下級武士のリストラ戦記』の主人公も7才から寺子屋に、8才からは算術塾にも通い始めている。寺子屋を描いた絵にソロバンを……more
-
『裁判官が見た光市母子殺害事件』
2009年02月28日さすがに読了までの時間がかかった。元裁判官である著者が「法律のみを基準とし公正を旨として」本書をまとめたと記しているように、大量の判決文が生のまま引用されている。これがじつに読みにくいのだ。法律文は正確性を期すためなのであろうか、文章中の漢字……more
-
『世界がわかる理系の名著』
2009年02月26日帯には「京大で受けたい授業No.1の名物教授が教える、14冊の革命的な書物」とある。たしかに、本書は授業そのものだ。14コマの授業を受けているような気になる。紹介されているほとんどの本は誰でも素性は知っているが、じっさいはあまり読まれていない……more
-
『人を殺すとはどういうことか』 再掲
2009年02月23日書評を書くにあたり、この本だけは担当編集者に電話をし、出版意図を確認した。なにしろ著者は二人の人間を殺め、現在も無期懲役刑で服役中なのだ。著者が隠しているかもしれない、なんらかの目的に利用されてはならないと考えたのだ。 …more
-
『なぜ、中国は「毒食」を作り続けるのか』
2009年02月18日中国叩きの本は数があまりに多いため、読む気にならなかった。本書は例外である。本屋で品定めをしたのだが、最後のページでの著者の主張が気に入ったのだ。いわく「日本を敵国と仮想している中国に食糧調達の多くを依存している現状を正すべきであろう。(中略……more
-
『歌麿 抵抗の美人画』
2009年02月11日優れた評伝である。歌麿の生涯と作品の見方を上質な推理小説を読むがごとく学ぶことができる。じつは歌麿の全盛期は風紀に煩かった寛政の改革と重なる。本書のテーマは幕府による度重なる狂歌や浮世絵に対する出版禁止こそが、皮肉にも歌麿を当代一の浮世絵師に……more
-
『城のつくり方図典』
2009年02月08日これからお城を建てようと考えている人にとって、これほど役に立つであろう書籍も珍しい。まあ、そんな人はめったにいないだろうな。本書は5章立て、フルカラー250ページで城のつくり方を、いちから教えてくれる。第1章は縄張りの章だ。城を置く場所の決め……more