おすすめ本レビュー
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『世界が愛した日本』
2008年10月16日昨日、人の紹介で「今の若者はダメだ」とぼやく60才前半の「老人」と話さなくてはならない状態に陥った。「今の若者はダメだ」が2000年ほど前のポンペイの落書きにもあったことをご存知ないらしい。無知にして老いているのだ。人として最悪である。もう7……more
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『大暴落 1929』
2008年10月01日1955 年初版の本である。ガルブレイズ自身が1997年版のまえがきで「この本が長寿を保っているのは、増刷され本屋の店頭に並ぶたびに、バブルや株安など何事か起きるのだ。すると、この本への関心が高まる」と書いている。本書は日経BPクラシックスの……more
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『米欧回覧実記』慶應義塾大学出版会 [3]
2008年09月24日欧米回覧実記を読んでいてつくづくこの130年間、日本人は何をやってきたのか、という思いになることがある。久米は貿易を行おうとするには万国共通で必要な設備があるという。すなわち港湾設備、マーケット、銀行、両替商、および商工会議所である。 …more
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『歌舞伎検定公式テキスト』
2008年09月11日この本は高すぎる。いくらフルカラーとはいえ175ページで3000円もする。役者に肖像権使用料でも支払っているからであろうか。だとしても、全ての舞台写真は全景なので役者の顔は判別できない。なぜこれほど高いのか不思議だ。 …more
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『西暦535年の大噴火』
2008年09月09日2000年以降出版が続いた「天変地異による人類史への影響」本のはしりである。著者は西暦535年ないし536年に人類史上最大級の噴火が起こったと推定する。場所はジャワ島とスマトラ島に挟まれた海峡にあるクラカトア火山だ。 …more
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『江戸の料理と食生活』
2008年09月08日以前、ある書評欄で定価をページ数で割った、つまり1ページあたりの単価を比較したことがある。ボリュームだけで見たお得感の比較である。そのときに編集者と飲みながら、本当にお得な本はどれかをいう話になった。本書がその答えである。 …more
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『AirCraft:The Jet as Art』 (洋書)
2008年09月06日滑走路の端でカメラを真上に向けて固定し、着陸陸間際のさまざまな旅客機を撮った大判の写真集である。背景は全て白で塗りつぶしてあり、旅客機以外の視覚情報は一切ない。そのため精密なプラモデルを下から撮ったのようにも見えるが、実機が持つ油の匂いは消し……more
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『白鍵と黒鍵の間に』
2008年09月05日ピアニストという人種はなぜ文章もうまいのだろう。クラシックの中村紘子、ジャズの山下洋輔などは音楽だけでなく文章も玄人だ。エッセイのうまい歌手とかギタリストなんてあまり聞いたことがない。 …more
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『 キーボード配列QWERTYの謎』
2008年09月04日キーボード配列決定の歴史についてとことん調べた本である。京都の学者夫婦がとことん調べたのである。引用している図版だけでも124枚。明示されている参考文献だけでも495冊だ。あと4枚図版があれば2の冪できりが良かった。本書は夫婦共著なのだ。まさ……more
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『 アメリカの毒を食らう人々』
2008年09月03日久しぶりに仰天した。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』を読んだときも、見えざる毒物の恐ろしさに体が震えたが、この本はさらに悪質な毒物を意図的に放置しているアメリカという国を告発している。 …more