おすすめ本レビュー
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『最後のダ・ヴィンチの真実』13万の絵が、なぜ510億に?
2020年11月29日本書は1500年頃に制作されたこの小さなキリスト画が、1649年のイングランド王チャールズ一世処刑後、20世紀にアメリカの美術愛好家の手に渡り、再び表舞台に登場するまでを追ったノンフィクションだ。…more
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あなたにはどんな色に見えていますか?『「色のふしぎ」と不思議な社会 ―2020年代の「色覚」原論 』
2020年11月29日「色覚異常」と診断された著者・川端裕人が、さまざまな角度から「色のふしぎ」に迫る。学校でおこなわれていた色覚検査、就職における色覚差別といった社会的な問題から、色覚の分子生物学といった生物学的内容まで、これ一冊で色覚のほとんどを網羅する。大き……more
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『緊急提言 パンデミック 寄稿とインタビュー』「知の巨人」が訴えるコロナ禍への賢明な対応
2020年11月28日本書は、世界的ベストセラーとなった3部作『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21Lessons』の著者であるユヴァル・ノア・ハラリが、本年3〜4月、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが最初のピークを迎えていた中で発表した見解をまとめたもの……more
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天才・小田嶋ここにあり! 『災間の唄』と『日本語を、取り戻す。』
2020年11月27日コラムニスト小田嶋隆の過去10年にわたるTwitterの内容を集めた『災間の唄』、そして、安倍晋三をはじめとする政権担当者たちについて書いたコラムを集めた『日本語を、取り戻す.』。バカを嫌い、きちんとした言葉で話せと憤りながらの論理的でユニー……more
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『黒魔術がひそむ国 ミャンマー政治の舞台裏』
大統領の誕生日は国家機密!?政治家は孤独な職業だと言われる。未来がどうなるかわからないにもかかわらず、たったひとりで決断を下さなければならないのだから、それも当然かもしれない。政治家という人種は多かれ少なかれ占いやまじないなども含めた「宗教的なるもの」と親和性があるので……more
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自分たちのあとに来る時代や存在に何を遺せばよいかを、地下を通して考える──『アンダーランド──記憶、隠喩、禁忌の地下空間』
2020年11月25日この『アンダーランド』は、山岳の歴史語りや大自然を相手にした旅行記に定評のある、イギリス作家ロバート・マクファーレンによる、地下で人間が行っていることと、それを通して悠久の時間スケールから地球と人類と捉えなおす、一種の紀行文学である。…more
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『コロナマニア 「ウイルス以外のコロナ」一大コレクション』“じゃないほう”のコロナで2020年を振り返る
2020年11月21日今年も1年を振り返る時期がやってきた。多くの人にとって、新型コロナウイルスにまつわる出来事が記憶に刻まれた年だったことは疑う余地もない。しかし、「コロナ」はそれだけじゃないとばかりに登場したのが、本書『コロナマニア』だ。 もちろん「コロナ」……more
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『白い土地』原発被災地で生活する人々のルポタージュ
本書『白い土地』は、新聞記者である著者が福島県に拠点を置き、そこに生き抜く人々に焦点をあてた人物ルポタージュである。「白い土地」とは、《白地》と呼ばれる「帰還困難区域」の中でも「特定復興再生拠点区域」に含まれない土地を指す。2017年、政府は……more
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『諏訪式。』諏訪湖を中心にした文化圏の謎を探る
2020年11月16日中央自動車道の岡谷ジャンクションの近く、諏訪湖サービスエリアは温泉施設が併設されドライバーに人気がある。諏訪湖を一望のうちに見渡せ、まさに絶景のスポットなのだ。 諏訪湖は中央構造線とフォッサマグナの二大断層が交差する地質的に複雑な場所で、……more
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『地下世界をめぐる冒険 闇に隠された人類史』地下愛好家が追い求める、人間の脳に眠る「古代」
2020年11月14日地下愛好家という人々がいるらしい。皆が寝静まった真夜中に都市の下水溝や地下鉄のトンネルに忍び込み、日常では味わうことのできない感覚を求める人々だ。 本書の著者、ウィル・ハントもそんな地下愛好家の1人だ。きっかけとなったのは、16歳のとき……more
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『ロッキード疑獄 角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス』
44年後に初めて解き明かされた事件の真相!全日空が導入を予定していた旅客機の選定に絡み、アメリカのロッキード社から巨額の金が日本の政界関係者に渡っていたことが発覚し、田中角栄元首相をはじめ多数の逮捕者を出した「ロッキード事件」。だが、これほど有名な事件でありながら、実はその全容は解明……more
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『カフェから時代は創られる』パリのカフェ文化と天才以前の天才
レーニン、トロツキー、ピカソ、マネ、ヘミングウェイ、サルトル、藤田嗣治、ボーヴォワール、後に天才と呼ばれる彼らが、まだ何者でもないころ、通いつめ議論した場所がある。パリのカフェ、モンパルナス界隈のドゥ・マゴやロトンド、モンマルトル界隈のラパン……more
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『人新世の資本論』資本主義の代替システムを構想する新しい『資本論』
2020年11月10日本書が投げかけるのは、人工物が地球を覆いつくした「人新世(ひとしんせい)」の人類が直面する、「一体あとどれくらい経済成長すれば人々は豊かになれるのだろうか?」という根源的な問いである。…more
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ボクラの知らない足下の世界 『地下世界をめぐる冒険 闇に隠された人類史』
2020年11月09日本書は、世界中にある「光なき世界」を渉猟し、そこにある闇について畏怖をもって見つめた異色のノンフィクションだ。著者は、ニューヨーク大学パブリックノレッジ研究所客員研究員だ。いくつもの機関から奨学金や補助金などを得ながら、地下研究にいそしんでい……more