社会
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『サラ金の歴史 消費者金融と日本社会』行間に立ち上る、人々の暮らしの息遣い
2021年02月24日本書は、高度経済成長とともに隆盛を極め、やがて衰退していく歴史を100年遡り、戦前の個人間金融が活発だった頃から紐解く。セイフティネットが格段に乏しかった戦前期の日本では、個人間で金の貸し借りをしてしのぐことが多かったが、その多くは親しい間柄……more
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『パンデミック後の世界 10の教訓』未来を決めるのは新型コロナではない
2021年02月13日本書の著者ファリード・ザカリアは、米CNNの報道番組「Fareed Zakaria GPS」のホスト役を務めている。同時に、ワシントン・ポスト紙のコラムニストを務めるなど、ベストセラー作家であり世界的コラムニストである。…more
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『首都直下地震と南海トラフ』1000年に一度の「動く大地の時代」の日本列島
2021年02月12日2011年の東日本大震災を契機に、地球科学的に「動く大地の時代」に入った日本列島に生きる我々は、どう対処していくべきなのか?…more
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『鬼才』不世出の編集者の知られざる生涯
「◯◯の天皇」という形容がある。出版界にはかつてこの呼称がぴたりと当てはまる人物がいた。 「新潮社の天皇」、齋藤十一である。齋藤は伝説の編集者だ。その業績でもっとも有名なのは雑誌ジャーナリズムへの貢献だろう。1956年(昭和31年)に『週刊……more
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在外日本人の目に映る、世界各国の今 『日本の外からコロナを語る』
2021年02月09日「コロナ禍での暮らしや、思っているものを書いてみませんか」本書は、旅を書くことを生業にしている下川裕治氏が、9か国に住む知己に各国のコロナ禍の状況をまとめてもらった本である。その中には、フランスのような感染爆発の渦中の国もあれば、ベトナムのよ……more
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子はみな幸せであるように『「ちがい」がある子とその親の物語Ⅰ』『こどもホスピスの奇跡』『にほんでいきる』
2021年02月03日国籍や肌の色、病気や障害などに関わらず子どもは幸せになって欲しい。その願いを込めた本を3冊紹介したい。…more
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『スケール 生命、都市、経済をめぐる普遍的法則』
2021年01月31日「ものさし」は人類が発明した偉大な道具の一つである。他人に時間や長さや大きさを伝えたいとき、ものさしで測って数字で言えば、誰もが正確に情報を共有できる。そして本書『スケール』は全ての現象を説明するものさし(尺度)の話である。 著者は英国……more
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まるでホラー映画みたい『妻がマルチ商法にハマって家庭崩壊した僕の話。』
2021年01月29日この本はある意味でホラーである。もし自分の彼女や親しい友人がマルチ商法にハマったとき、周りの人間はこんなにも無力なものなのだろうか?マルチ商法にハマるのなんて情弱!自業自得だよね。みたいな認識が自分にもあったけれど、この本を読んでからは、その……more
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『黒魔術がひそむ国 ミャンマー政治の舞台裏』呪術合戦は、安倍晴明と蘆屋道満の戦いさながら!
ヤンゴンに新聞記者として駐在していた著者は、情報省の中堅幹部との会談で「テインセン大統領の誕生日を確認できない」と愚痴をもらした。答えは「国家指導者はアウラーンを恐れているから決して生年月日を明かさない」というものだ。ビルマ語のアウラーンとは……more
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『不寛容論 アメリカが生んだ「共存」の哲学』
2021年01月27日森本あんり氏は神学者で、その研究内容は必ずしも一般向けとは言えない。著作で扱っているのも、キリスト教の教義論争がメインコンテンツだ。なのに、その内容は、いつも同時代の問題意識にぴったりとシンクロしている。『反知性主義』しかり、『異端の時代』し……more
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『社会問題とは何か なぜ、どのように生じ、なくなるのか?』こんなを教科書を10代の頃に読みたかった!
いくつかの出版社から社会問題についての本を書いてほしいと依頼されていた著者は、いつもお決まりの文句で断っていたそうだ。「私が書きたい本は、あなたが出版したい本ではありません。それに私は、あなたが出版したいような本は書きたくないのです」…more
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アメリカ発「私たち」のムーブメントが時代を変える『Weの市民革命』
2021年01月26日アメリカは巨大な国だ。陰謀論者や科学を信じない人は日本にもいるが、その層の厚さは日本の比ではないだろう。連邦議事堂襲撃事件で私たちが目にしたのは、そうした人々のほんの一部に過ぎない。だが、愚かな連中が存在を誇示すればするほど、反対側から異議を……more
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『もしわたしが「株式会社流山市」の人事部長だったら』二児の母の小さな挑戦が、まちを大きく変えるまで
2021年01月23日本書の著者も結婚を機に流山市に移り住んだ一人だ。移住してしばらくはビジネスパーソンとして忙しい毎日を送っていたが、第一子の出産後育児休業に入ったのをきっかけに、地域が抱える課題にも関心を持つようになった。そしてある日、ふと妄想を抱く。その妄想……more
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『2040年の未来予測』2040年の未来から見た我々は、今、何をしなければならないのか?
2021年01月08日本書は、2040年の未来に向けて我々が進むべき道程を示してくれる、成毛氏から全ての日本人に向けたお年玉である。…more
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『2016年の週刊文春』個人的2020年のベスト・ノンフィクションはこれ!
文藝春秋は、「文藝」と「春秋」がくっついた会社だとよくいわれる。もちろんこれはふたつの会社が合併したということではない。文藝は文字通り文芸作品のこと、春秋は日々の出来事が積み重なった年月を指す。文藝春秋という会社は、文芸と日々の出来事を追うジ……more