先月出た本 2023年1月

2023年2月3日 印刷向け表示
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2023年のスタートの月は全国的に荒天に苦しめられた月になりました。とはいえ、芥川賞・直木賞が両方ともダブル受賞になるなど業界にとってはプラス要素も。ノンフィクションジャンルでは大物作家が続々と本を出しています。そんな中、『ネット右翼になった父』という新書が話題を呼んでいます。老いとともに「ネット右翼」のような発言を繰り返すようになった父。そのまま親子は分断していきます。現代の家族病とも言える現象に迫った意欲作です。

作者: 鈴木 大介
出版社: 講談社
発売日: 2023/1/19
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他にはどんな本が発売され、売れていたのでしょうか。

気になる作品をいくつか紹介してみます。

作者: カール・ダイセロス
出版社: 光文社
発売日: 2023/1/25
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「こころ」や「脳」の働きについての本はサイエンスジャンルの中でも人気の高いジャンルになっています。この著者、スタンフォード大学のカール・ダイセロス教授は神経科学分野で数々のイノベーションを成し遂げてきた方であり、光で脳の活動を観測・制御する「光遺伝学」の第一人者です。実際に精神科医として患者の治療にあたるなかで出会った驚くべき症例、心の病の原因解明に挑んだ模様を記した感情の起源に迫る1冊。

作者: バリー・マイヤー
出版社: 晶文社
発売日: 2023/1/26
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処方薬が深刻な依存症に繋がっていった「オピオイド」危機。アメリカでは国家緊急事態宣言が宣言されるほどの大きな問題となり、現代でも最も深刻な公衆衛生危機と言われています。医師の処方、政府の承認という安心であるはずの薬は、大富豪が経営する製薬会社が信頼を裏切りながら広めたものでした。この闇を暴くノンフィクション。Netflixがドラマ化することでも話題になっています。

作者: ロアンヌ・ファン・フォーシュト
出版社: 亜紀書房
発売日: 2023/1/25
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昨年から、肉食文化について考える・見直すといった内容の本が増えてきました。培養肉が拡大してきたこと、地球環境負荷という観点、様々な理由が交差しています。こちらはオランダ発のノンフィクション。これからさらに勢いを増していくであろう“ビーガニズム”について描かれたノンフィクション。肉食という文化はこれからどうなるのか、今考えておきたいタイミングが来ています。

作者: 鈴木 智彦
出版社: 宝島社
発売日: 2023/1/12
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これまで様々なヤクザ本を手がけてきた、ヤクザ業界の専門記者が語るヤクザの生態集。暴力団排除条例以降、人権もなくなったのではと言われたものの未だ全国に25もの指定暴力団が存在する事実があります。現代のヤクザは何をしているのか、ヤクザのシノギ、組織はどうなっているのか?そしてヤクザは毎日どんな生活を送っているのか。そんなヤクザの姿を余すことなく盛り込んだルポ。

作者: エドワード・ドルニック
出版社: 東京創元社
発売日: 2023/1/30
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今でこそ『ヒエログリフを書いてみよう 読んでみよう』といった本も発売され、身近な存在になったヒエログリフですが、この解読、理解のためにはロゼッタストーンの解読が大きなカギとなっていました。この解読には、多くの人がかかわり、多くの国の威信もかかっていました。イギリスとフランスを代表する二人の天才による解読レースの様子を描きます。ロゼッタストーン解読については、天才のひとり、シャンポリオンを主人公に据えた『ロゼッタストーン解読』と読み比べてみるのもオススメ。

出版業界では、書店の閉店という悲しいニュースが続いています。ここ最近の人件費や光熱費の高騰により、営業継続を断念するケースも多いのだとか。書店に足を向け、面白い本や興味のあるテーマと出会っていただくことが、身近な書店を応援する最初の一歩となるはずです。今月も素敵な本との出会いがありますように。

決定版-HONZが選んだノンフィクション (単行本)
作者:成毛 眞
出版社:中央公論新社
発売日:2021-07-07
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『決定版-HONZが選んだノンフィクション』発売されました!