デザイン、幾何学、生物学に共通する内容をグラフィックデザインを学ぶ生徒に教えるために作られた本である。著者は教育の過程でデザイナーが幾何学的構図を理解していないがため、優れたコンセプトが台無しになる過程をたくさん目にしてきた。
幾何学的構図を理解するとはどういうことだろうか?本書で行われている解析を真似して試してみた。事例はtwitter。twitterは黄金比を遵守したデザインで創られていたことで一部で話題になった。2012年2月現在のデザインでも念のため検証してみると…
黄金比に基づいているようだ。facebookでも試したが、結果は思わしくなかった。
本書はデザインや建築の素人がいきなり読んでも、一度目は理解不能かもしれない。しかし何度か目を通せば、上記で試したように黄金比や幾何学的な解析をするフィルターを持って、目に飛び込んでくる物体を観察するようになる。本書で解析されている事例は松ぼっくり、ダ・ヴィンチの「円の中の人体図」、パルテノン神殿、バルセロナチェア、ミュンヘンオリンピックのピクトグラム、フォルクスワーゲンのニュービートルなどジャンルは多彩。(増補改訂版として幾何学的に解析事例を36ページも追加されている!)美術やデザインに門外漢でも、美的感覚が養いたい、いや気分だけでも味わうなら、間違いのない一冊。