おすすめ本レビュー
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『スラッジ: 不合理をもたらすぬかるみ』悪い行動経済学
スラッジ(SLUDGE)、直訳すると、泥、ぬかるみである。 煩雑な申請、長い待ち時間、何を書けばいいのかよくわからない書類など、摩擦…more
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『傷つきやすいアメリカの大学生たち』「自分の気持ちの安全」が育む激しいキャンセル活動の根源を探る
2023年2月7日著者2人が問題提起するのは、2013年以降、アメリカの大学内で度々発生する、言論の自由、学問の自由が脅かされる事態についてだ。それも…more
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『ある行旅死亡人の物語』あなたは誰?身元をたどる渾身のルポルタージュ
2023年2月4日「行旅死亡人」とは病気や行き倒れ、自殺等で亡くなった身元不明の死者を表す法律用語である。死亡人は身体的特徴や発見時の状況を官報に公告…more
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『ネット右翼になった父』「なぜ?」の先に「分断」を解消するヒントが見えてくる
2023年2月3日身近な人が豹変してしまうのを見るほど辛いことはない。家族が認知症になったとか、カルトに入信したとか、そんなハードな話なら聞いたことも…more
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「家族という密室」に戦慄する『母という呪縛 娘という牢獄』
母親とは、家族のルールの大本であるという恐ろしさに気づく。何も考えておらず気持ちの赴くままに生きている母親から、さっぱりわからないル…more
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わからない、でも考えるべきだ。『死刑のある国で生きる』とはどういうことなのかを
2023年1月27日あなたは死刑に賛成ですか? 賛成、反対、あるいは、どちらでもない or わからない。 はたして即答できるだろうか。決して身近な問題と…more
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なぜ一見何の利益もない嫌がらせ行為を行う人間が存在するのか?──『悪意の科学: 意地悪な行動はなぜ進化し社会を動かしているのか?』
2023年1月25日最近、仕事中のほとんどの時間は何らかのゲーム配信(最近はLeague of Legends)を垂れ流していることが多い。人気のストリ…more
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『母という呪縛 娘という牢獄』異常な母娘関係を描いた事件ノンフィクション
殺人はけっして許されない。人を殺せば刑事罰に処される。それがこの社会の当たり前のルールである。だが時に、その「当たり前」が揺らぐこと…more
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『太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密』子どもたちは生きている。父親に切り捨てられても。
2023年1月20日アフリカ中部に位置するコンゴ民主共和国(旧ザイール)は地下資源に富んだ国だ。1970年代、日本企業はこの地に進出し鉱山を開設、多数の…more
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火山が大噴火したら地球の寒冷化が始まる!『気候変動と「日本人」20万年史』
2023年1月11日地球科学には「過去は未来を解く鍵」と言うフレーズがある。過去に起きた現象を詳しく分析し、その中で働いているメカニズムを明らかにし「物…more
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「最近あいつヤバそうだ感」を出そう! 『聞く技術 聞いてもらう技術』
2023年1月10日この本は面白かった。専門知と世間知の間で葛藤する臨床心理士の「現代版赤ひげ先生」が、自慢のヒゲを撫でながら捻りだした一冊だ。わかりや…more
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『黒い海 』 海の『エルピス』調査報道が明らかにする未解決事件の「真実」
2023年1月5日興奮冷めやらぬままこれを書いている。すごいノンフィクションを読んだ。大晦日に読み始め、気がついたら年が明けていた。この本は読み始めた…more
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『なぜ、この芸人は売れ続けるのか?』に成功の秘訣を学ぶ
2022年12月27日売れ続ける芸人、25人について、芸能記者・中西正男48歳が縦横無尽に書き尽くした。大阪を中心に活動する中西なので、ほとんどが大阪の、…more
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数多の「健康で、長生きする」実践的なメソッドが全部まとまった一冊──『科学的エビデンスにもとづく 100歳まで健康に生きるための25のメソッド』
2022年12月25日近年、栄養環境の改善や医療技術の進歩によって人間はより長く生きることができるようになった。ただ、ほとんどの人が望んでいるのは、「長く…more
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『国商』権力と一体化した男の実像
政商という言葉はあるが、国商は聞いたことがない。 政商とは、時の権力と結託して特別な利益を貪る商人のこと。国商はさしずめ国家と一体化…more