おすすめ本レビュー
-
金言あふれる賢者ルービック伝『四角六面 キューブとわたし』
2022年5月27日これほどシビれる本に出合うことはそうそうない。それは、真の知的好奇心と創造力を兼ね備えた上に深い思索をできる人がめったにいないからに…more
-
『ソーニャ、ゾルゲが愛した工作員』ゾルゲに見出され歴史を動かした「主婦」
ロシアのウクライナ侵攻により核戦争の脅威が現実味を持って語られるようになっている。こうした緊張感のある状態は東西冷戦以来であろう。実…more
-
『政治学者、PTA会長になる』これぞ街場の民主主義!政治学者が世間の現実と向き合った1000日の記録
2022年5月24日「その悩み、○○学ではすでに解決しています」みたいなタイトルの本を見かけることがある。あなたが日々の仕事で直面する悩みや課題は、すで…more
-
『難民に希望の光を 真の国際人 緒方貞子の生き方』緒方貞子を知るための「入門書」
2022年2月24日、ロシアが隣国のウクライナに全面的な侵攻を開始した。ウクライナ国民の多くは国境を越え難民となっている。この現実を…more
-
『14歳からの文楽のすすめ』 文楽をビジュアルで9割!
2022年5月19日4歳からの、とはうたっているが、41歳でも十分楽しめる、文楽を伝えるビジュアルブック。難しい解説はない。現代の生活にいかに文楽の醍醐…more
-
『映画を早送りで観る人たち』是か非かではなく、もはや不可逆
2022年5月16日本書はかつて「『映画を早送りで観る人たち』の出現が示す、恐ろしい未来」という記事を書いた著者が、その反響の大きさに驚き、あらためて倍…more
-
『中野ブロードウェイ物語』文化を生み出す異空間
中野の街にはランドマークがふたつある。ひとつは「アイドルの聖地」として知られる中野サンプラザ。もうひとつは中野ブロードウェイだ。 中…more
-
『妻はサバイバー』貴重な当事者たちの声
2022年5月10日川崎市の自宅で長男(当時37)を4カ月にわたって監禁したとして、両親と妹の3人が逮捕監禁容疑で逮捕された。長男には精神疾患があったと…more
-
『マイホーム山谷』福祉の新たな可能性を描く 小学館ノンフィクション大賞受賞作
2022年5月5日(知らなかった。こんなことになっていたなんて……。) 読みはじめてすぐにそう思った。かつて脚光を浴びた人物の驚くべきその後が記されて…more
-
ありのままに書く。『妻はサバイバー』
ありのままに書く。その業を感じさせる。新聞記者の著者が、妻との20年あまりを記録する。摂食障害、性被害、アルコール依存、認知症にいた…more
-
『教科書名短篇 科学随筆集』大自然の前に愚かな自分を投げ出す科学者
2022年5月3日科学者がときとして見事な文章を書くことがある。本書は寺田寅彦(1878-1935)や湯川秀樹(1907-1981)など世界的科学者が…more
-
『ぼけますから、よろしくお願いします。おかえりお母さん』認知症の悲しい現実を乗り越えるユーモアの力
2022年5月2日「ぼけますから、よろしくお願いします。」――これは2017年のお正月に著者の母親が言った言葉です。当時87歳の母親は、この時すでに認…more
-
『「ちがい」のある子とその親の物語』世界23か国で読まれる当事者とその家族の声
2022年4月30日本書は欧米で活躍するノンフィクション作家・アンドリュー・ソロモンが10年間に300組以上の親子を取材した壮大な記録だ。2012年に出…more
-
『道徳教室 いい人じゃなきゃダメですか』これっ学ぶものですか?
2022年4月29日私の小学校時代、「道徳」の授業はあったろうか。本書を前にして思い出してみる。あった。確かにあった。だが2018年度から始まった(中学…more
-
『メタ認知 あなたの頭はもっとよくなる』思考を観察するもうひとりの自分
メタ認知、最近よく聞くようになった言葉だ。辞書をめくると、「自分の行動・考え方・性格などを別の立場から見て認識する活動」と書いてある…more