おすすめ本レビュー
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数奇な運命をたどった本 『ある奴隷少女に起こった出来事』
2017年7月9日新潮文庫のラインナップに、新たな古典名作が加わった。しかし、『小公女』や『若草物語』のようなフィクションではない。著者自身が序文で「…more
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『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』本好きにしか判らないこの楽しさとおかしさ
もしあなたが軽度の活字中毒を自任しているとしたら、おススメの一冊だ。内容はじつに他愛もない。カップ焼きそばの作り方、すなわちお湯をい…more
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まさに龍ブーム『百龍めぐり 関東編』
"本書は仏像や阿修羅ブームとは一線を画す、龍に特化したガイドブックである。 各寺社は、所在地、最寄り駅からのアクセス、宗派、祭…more
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『銀座の夜の神話たち 1万8250日の物語』「文壇バー」の50年
2017年7月6日この本には、夜な夜な楽しい時間を過ごした小説家や漫画家、画家、写真家、プロスポーツ選手とキラ星のようなスターたちの思い出が綴られてい…more
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歴史的偉業を世界に知らしめよ 『ライト兄弟 イノベーション・マインドの力』
"ライト兄弟がなした最大の偉業といえば、もちろん「人類初の動力飛行」である。そして本書の前半部も、1903年12月17日にその偉業が…more
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すべてが調節されている──『セレンゲティ・ルール――生命はいかに調節されるか』
2017年7月5日本書『セレンゲティ・ルール――生命はいかに調節されるか』は、そうした生態系における個体数の調節機能から、人体および分子レベルでの調節…more
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『愛人形 LoveDollの軌跡』人形には魂が宿る
2017年7月3日今回、何体ものラブドールをみて圧倒されたのは、その独特の存在感である。「人形に魂が宿る」という言葉があるが、あながち嘘ではないと思う…more
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『会社苦いかしょっぱいか 社長と社員の日本文化史』通勤電車は今も昔も地獄
2017年6月30日高度経済成長期は窓ガラスが割れ、けが人も続出した通勤電車。車内で靴をなすくすほどの混雑ぶりに靴の貸し出しサービスを始める駅も。戦後の…more
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出版業界と同じ構図『誰がアパレルを殺すのか』
2017年6月29日国内の衣料品(アパレル)業界がかつてない不振にあえいでいる。バブル崩壊直後や、リーマンショック後ではなく、なぜ「今」なのか?アベノ…more
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『Mr.トルネード 藤田哲也 世界の空を救った男』嵐のような天才気象学者の生涯を追う
「とにかく私の人生は面白い。安定とは無縁だった」 気象学者、藤田・テッド(セオドア)・哲也は、自身の歩みを回顧して、そう語った。本書…more
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『裁判所の正体 法服を着た役人たち』三権分立でさえ幻なのか
これは一人の元裁判官と一人のジャーナリストの対談である。しかし、元裁判官である瀬木比呂志があとがきで語っているように、対談集という枠…more
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『おどろきの金沢 』伝統工芸と現代アートの狭間で
これまでずっと疑問に思っていたのは、「なぜ金沢21世紀美術館が作られたのか?」「金沢の伝統工芸と現代アートの関係はどうなっているのか…more
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『PC遠隔操作事件』警察、メディア、犯人、その誰もが踊らされた
2017年6月27日事件ノンフィクションと呼ばれるジャンルの醍醐味が、存分に味わえる一冊だ。この事件の何に対して自分が釈然としない思いを抱いていたのか、…more
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『図書館100連発』さりげない緻密な工夫がいっぱい
2017年6月26日図書館の来場者と本の新たな接点をつくるために、話題にならず表舞台に出てこない本に興味をもってもらうために、本に興味のない人に来場をう…more
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円城塔、田辺青蛙による夫婦読書リレー──『読書で離婚を考えた。』
2017年6月25日円城塔、田辺青蛙の小説家夫婦が、課題本を出し合い交互にエッセイ(書評)を連載することによって、夫婦の相互理解につとめる。そんなコンセ…more