生物・自然
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楽しくてためになる『胎児のはなし』
胎児の超音波検査を日本で先駆的に取り入れて研究してきた増崎英明教授が、ノンフィクションライターである最相葉月の質問に答える対談形式で、胎児研究の歴史とその最前線を解説していきます。妊娠・出産にまつわる素朴な疑問から、超音波検査や遺伝子解析など……more
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『めんそーれ!化学 おばあと学んだ理科授業』本当の学びとは何か?
本書はそんな夜間中学とは一線を画す、沖縄県那覇市のフリースクール「珊瑚舎スコーレ」が開いている私立夜間中学の10年ほど前に行われた理科の授業1年間の記録である。著者は中学高校で生物を教えていたゲッチョ先生というニックネームを持つ人気教師だ。大……more
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『魚たちの愛すべき知的生活―何を感じ、何を考え、どう行動するか』
2018年11月30日本書は、あまり知られていない魚たちの環世界と生態を科学研究の成果と個人のエピソードを織り交ぜて紹介してくれる内容ゆたかな本です。しかし、それだけにとどまりません。著者のバルコム氏が魚も社会生活をもって個として生きる存在であり、その点では陸に生……more
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『フォッサマグナ』足下に広がるミステリー
2018年11月10日タイトルは『フォッサマグナ』。日本のど真ん中を南北に走る、巨大な地溝帯について書かれた本だ。著者は鵺(ぬえ)という怪物に例えているが、名前を聞いたことはあっても実態がよくわからないものの代表選手ではないだろうか。私は、本を読む前、フォッサマグ……more
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『無脊椎水族館』とか『タツノオトシゴ図鑑』とか『ほぼ命がけサメ図鑑』とかで学ぶ「海にすまう生物たちの正体」
水族館は無脊椎生物に限る。秘かなブーム?「ひとり水族館」の第一人者である旅するノンフィクション作家・宮田珠己氏による、全国水族館行脚。美しい写真を見ていると、ホントに無脊椎動物を見に一人で水族館に行きたくなってくる。恐るべき洗脳の書。…more
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『小笠原が救った鳥 アカガシラカラスバトと海を越えた777匹の猫』外来種だって殺しちゃいけない同じ命
小笠原は東京から船で24時間以上かかる、東洋ガラパゴスといわれる特殊な自然の宝庫。そこの固有種である「アカガシラカラスバト」は平成5年に国内希少野生動植物種に指定された貴重種だ。2001年ごろには推定個体数30羽。あまりにも少ないため島民も見……more
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『土・牛・微生物 文明の衰退を食い止める土の話』
2018年08月31日本書はデイビッド・モントゴメリー著“Growing a Revolution”の全訳であり、『土の文明史』『土と内臓』(ともに築地書館)に続く三部作の完結編である。三作はいずれも、人間社会とそれを包括する文明と環境を、「土」という共通の切り口……more
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『交雑する人類』 古代DNAが世界史を書き換える!
ゲノム革命は我々の想像を超える速度で進行している。ワトソンとクリックが生命のセントラルドグマを解き明かしてからわずか半世紀と少しの間に、PCRやCRISPR−Cas9などの革新的な技術が次々と開発され、SFの世界にしか存在しないと思われたよう……more
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ほら、あなたの隣にも! 見てびっくりのサイズ感『リアルサイズ古生物図鑑 古生代編』
2018年08月08日本書は古生物図鑑である。が、これまでの図鑑とは一味違う。とっくの昔に絶滅してしまった古生物たちが現代の私たちの生活シーンにこっそりと(時には堂々と)まぎれこむことで、「え、あの生物はこんなに大きかった(小さかった)の?!」というサイズ感をガツ……more
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『無脊椎水族館』得体のしれない彼らに会えば、人生が救われる、新しい発見がある!
2018年08月06日世の中では《おじさんひとり水族館》がブームだと宮田は断言する。どうやら疲れた男が向かうのは水族館の暗がりらしい。訪れた先には必ずそんな佇む男がいた。男が水族館で見るもの、それは神秘の世界なのだという。確かにどの水族館に行っても得体のしれない無……more
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『わけあって絶滅しました。』を買ったのは、どういう人たちなのか?
2018年08月04日一昨年からずーっと続いてきた生き物ブームに変化の兆しが見えてきました。Twitterコメントがバズり、予約殺到全国的な品薄が発生した『リアルサイズ古生物図鑑』を皮切りに、今度は『わけあって絶滅しました。』が大ブレイク中!この夏は「ざんねん」を……more
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『「自然」という幻想 多自然ガーデニングによる新しい自然保護』
2018年07月16日ここ10年ほど、その新時代を展望する出版が英語圏で目立っている。一端は関連の翻訳書(ピアス『外来種は本当に悪者か』〔草思社〕など)を通して我が国にも波及しているが、実は2011年に出版された本書の原書Rambunctious Garden: ……more
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『えげつないいきもの図鑑 恐ろしくもおもしろい寄生生物60』
本書は、おそらく日本初の、子どもも楽しめる「寄生生物の図鑑」です。写真は一切使っておらず、一部の寄生生物の魅力でもある「グロテスクさ」をあえて押し出しませんでした。それは、「グロい」「キモい」とすぐに目をそらすのではなく、寄生生物の生態のおも……more