これから出る本 2021年3月

古幡 瑞穂2021年02月21日 印刷向け表示
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2月。新型コロナウイルスの流行が始まってから1年になりました。また、東日本大震災から10年という節目を前にして大きな地震も発生。ただ10年を振り返るだけではなく、これからの災害に備えるという意識も強くなってきた気がします。これからどんな本が話題になっていくのでしょう。

ノンフィクションの予約ランキングから見ていきます。2021年2月19日時点の予約受注実績から3月以降に発売になるタイトルを抽出しノンフィクションの予約ランキングを作成しました。(日販調べ:タイトル・発売日等今後変更になる可能性があります)

特別授業3.11 君たちはどう生きるか (14歳の世渡り術)
作者:あさの あつこ ,池澤 夏樹 ,鎌田 浩毅 ,最相 葉月 ,斎藤 環 ,橘木 俊詔 ,田中 優 ,橋爪 大三郎 ,鷲田 清一
出版社:河出書房新社
発売日:2012-03-03
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注目しておきたいのが『特別授業3.11』です。これは震災から1年のタイミングになる、2012年の3月に刊行された単行本が元となっている文庫版になります。3.11で問われたこと、何を学ぶべきかを10代~20代に向けて9名の著者が紙上特別授業を行いました。震災から10年のタイミングでは、震災から10年目の視点が追加されています。震災の時物心がついていなかった子ども達にも改めて読んで欲しい作品です。  

出版社 商品名 著者名 発売予定年月日
河出書房新社 『特別授業3.11 君たちはどう生きるか』 あさの あつこ他 20210308
KADOKAWA 『日本古典と感染症』 ロバート キャンベル 20210324
小学館集英社
プロダクション
『非常識に生きる』 堀江 貴文 20210311
飛鳥新社 『韓国の反日工作』 篠原 常一郎 20210402
KADOKAWA 『NHKスペシャル 戦争の真実シリーズ3  
 731部隊の真実』
NHKスペシャル取材班 20210430
PHP研究所

『デジタルトランスフォーメーション(DX)の
 リアル・ノウハウ(仮)』

冨山 和彦 20210519
徳間書店 『生き方革命』 橋下 徹 20210329
幻冬舎 『専門医が教える 
 新型コロナ・感染症の本当の話』
忽那 賢志 20210303
講談社 『円周率πの世界』 柳谷 晃 20210520
講談社 『中国の歴史9 海と帝国 明清時代』 上田 信 20210311

予約リストから注目作品を紹介していきます。これからどんどん予約が増えますように!

WHAT IS LIFE?(ホワット・イズ・ライフ?)生命とは何か
作者:ポール・ナース
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2021-03-10
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『生命とは何か』という古典名著があります。タイトルだけ見てその復刊かと思っていましたが、これはノーベル賞受賞者でもあるポール・ナースの初の著書。シュレディンガーへのオマージュからこのタイトルをつけた、とのこと。「遺伝」を理解することが生命を読み解く鍵だと捉えたシュレディンガーに対し、著者は遺伝を読み解くことだけでは答えが得られないという考えを投げかけます。生物学の5つの重要な考え方から生命を考えていくというのがこちら。すでに多くの推薦コメントもついてきており話題の1冊となりそうです。
 

ヒーラ細胞の数奇な運命: 医学の革命と忘れ去られた黒人女性 (河出文庫)
作者:レベッカ・スクルート
出版社:河出書房新社
発売日:2021-03-08
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ヒーラ細胞というのは、世界初となるヒト細胞株のこと。これはもともとある黒人女性から許可なく採取され培養されたものだったそうです。この細胞はその後の医学発展に大きな貢献をするものになりますが、細胞主であったヘンリエッタの存在は伏せられ、死後も無名のままにありました。そのノンフィクションがこちら。2011年に邦訳されていましたが、医学に注目が集まる今、形を変えて出版されます。
 

人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する
作者:マット・リドレー
出版社:NewsPicksパブリッシング
発売日:2021-03-05
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『繁栄』などの科学ノンフィクションをいくつも手がけているマット・リドレーの最新作。イノベーションということを考える内容になっています。イノベーションが必要だと言われているものの、それはいかにして起こっているのでしょうか。昨今の有名企業の事例だけではなく、産業革命や人類の歴史まで紐解きその秘密を解き明かします。コロナ後の世界についての言及もあり、世界の知識人達に影響を与える1冊となっています。
 

キツネ目 グリコ森永事件全真相
作者:岩瀬 達哉
出版社:講談社
発売日:2021-03-11
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今話題になっている『ロッキード』もそうですが、昭和時代に起こった事件の検証本が多く出版されています。この『キツネ目』の著者は『裁判官も人である』で話題となった岩瀬達哉。多くの証拠を残しながら時効に逃げ込んだグリコ森永事件の犯人グループ。事件の捜査に当たった刑事や警察幹部、犯人グループとの接点があった被害者などへの取材を通じてその姿を浮かび上がらせます。
 

ナショナリズムの美徳
作者:ヨラム・ハゾニー
出版社:東洋経済新報社
発売日:2021-03-26
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政治ジャンルで注目しておきたいのがこちら。原著の出版は2018年。トランプ政権を理解するためにも重要な本としても話題になっていた本で、大きな影響を及ぼしたとも言われています。一方で、ナショナリズムは誤解されがちであり、リベラリズムこそが自由と民主主義を破壊する。と。コロナ禍下において、今まで以上に注目を集めるようになったナショナリズムについて改めて考えてみませんか?

*

いよいよワクチンの接種が始まり、新型コロナ対策も新しいステージに入ってきます。経済の復興と予防とどう折り合いをつけて進んでいくのか。科学や経済の最新知見が大きな意味を持ってくるのでしょう。どんな未来が描かれているのか、読書を通じて一足先にその未来に触れてみませんか?

ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
  • Amazon Kindle

『ノンフィクションはこれを読め! 2014』電子版にて発売中!

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