昨年の3月は突然の学校休校などの影響で、学参や児童書が大きく動いた他大人向けの本もまとめ買いが目立った月でした。今年はそういった顕著な動きはなかったものの、教養や自己啓発といった分野の本がよく動いています。気になる新刊も沢山発売されています。まずは先月出た本の売上ランキングから売場を見ていきましょう。
日販オープンネットワークWINから3月発売のタイトルとHONZのレビュー対象となるノンフィクションジャンルのタイトルを抽出しランキングを作成しています。(2021/3/1~2021/3/31の売上)
新書が上位に並ぶ中、生物学の入門書にもなる『WHAT IS LIFE?』が単行本としては一番の売上を記録しています。続いて数字を伸ばしてきているのが『キツネ目』です。
時効を迎えた今も、その事件の裏側には多くの人が惹きつけられ、数々の小説や映画のモデルにもなっているグリコ森永事件。
新たな事実は出ているのか?これまでに出てきた数々の犯人説は、どのように紹介されているのか…今、注目を集めている1冊です。
出版社 | 書名 | 著者 | |
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1 | 文藝春秋 | 『なんで家族を続けるの?』 | 内田也哉子 |
2 | 講談社 | 『仕事と人生』 | 西川善文 |
3 | 文藝春秋 | 『三国志入門』 | 宮城谷昌光 |
4 | ダイヤモンド社 | 『WHAT IS LIFE?』 | ポール・ナース |
5 | 講談社 | 『キツネ目』 | 岩瀬達哉 |
6 | 小学館集英社プロダクション | 『非常識に生きる』 | 堀江貴文 |
7 | 幻冬舎 | 『人間の器』 | 丹羽宇一郎 |
8 | 宝島社 | 『鳥獣戯画のすべて』 | 上野憲示 |
9 | 扶桑社 | 『恥韓の根源』 | シンシアリー |
10 | 中央公論新社 | 『「失敗」の日本史』 | 本郷和人 |
11 | 幻冬舎 | 『専門医が教える新型コロナ・感染症の本当の話』 | 忽那賢志 |
12 | PHP研究所 | 『つながり過ぎた世界の先に』 | マルクス・ガブリエル |
13 | 新星出版社 | 『サクッとわかるビジネス教養行動経済学』 | 阿部誠 |
14 | 中央公論新社 | 『世界の日本人ジョーク集令和編』 | 早坂隆 |
15 | 中央公論新社 | 『英語の読み方』 | 北村一真 |
16 | 宝島社 | 『鳥獣戯画の世界』 | 上野憲示 |
17 | 産経新聞出版 | 『「違和感」の日本史』 | 本郷和人 |
18 | SBクリエイティブ | 『伝え方の作法』 | 池上彰 |
19 | KADOKAWA | 『1/4の風景』 | アバンティーズ |
20 | 徳間書店 | 『世界を破壊するものたちの正体』 | 高山正之 |
他にも気になる新刊は多数!3月発売の注目タイトルを紹介していきます。
北極を空から、しかも気球で探検したのがこの本のテーマとなるアンドレー探検隊です。
一見無謀そうに見えるその探検は案の定困難を極め、出発後数回の連絡の後消息を絶ちます。その後長い年月を経て、彼らの遺体と遺留品が発見されたのですが、氷上への不時着後彼らは2ヶ月半をかけて無人島に上陸を成功させていた事がわかりました。ただ、その直後に死亡しています。
氷上生活を生き延びたのに、なぜ陸地にたどり着いた途端死んでしまったのか。その理由については多くの説が飛び交っており大きな謎とされていました。実際に現地を旅し新たな真実を見つけ出したこの著者。何が起こっていたのでしょう。
日本人にとってはあまり馴染みのない事で、まずは『赤毛のアン』などを思い出しそうですが、様々な文化において「赤毛」は特別な扱いを受けてきました。時代によっては差別の対象となり、迫害されたといった事も多く記録されています。
赤毛について、科学、歴史、文化、そして芸術側面から分析したのがこちら。
著者の前著『ルポ川崎』は大きな話題となり、ベストセラーとなりました。著者が今回追ったのは、令和元年に起こった3つの事件。川崎の無差別殺人、元農水事務次官の息子殺し、京アニ放火。得体が知れないこの犯人達を読み解いて見えてきたものは何だったのか。
「令和」という時代を振り返るときに、鍵になる1冊となりそうです。
外食産業受難の時代。コロナ禍により外食産業は大きな変容を余儀なくされています。でも、料理人達は昔から知恵と工夫で美味しいものを作り私たちの胃袋を満たしてくれました。そして、美味しいものを求める人もなくなりません。
外食の歴史を紐解いていくと、これからの外食のありかたも見えてくるかもしれません。
AIテクノロジーは飛躍的に進化しており、人間を超えるタイミングももうそこに見えてきていると言われています。大国がそのテクノロジーの兵器転換をすすめたとしたら、その先の戦争、そして人類はどうなっていくのでしょう。AIがもたらすのは戦争の終焉なのか、それとも人類の終焉なのか。今考えられるシナリオとは?
すごい事典が出ました。今や、音楽の教科書にも当たり前のように掲載されている名曲も、かつては名曲にはほど遠い評価を受けていたこともありました。そういった「酷評」だけを集めた事典がこちら。あまりのけなされぶりに、かえってその曲を聴きたくなるはずです。
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4月になって新しい環境での生活をスタートさせた人も多いでしょう。ワクチン接種、変異株の拡大など不安なニュースが多い中ですが、そんなときこそ読書で心を落ち着かせて豊かな時間を過ごしてください。