これから出る本 2023年2月

2023年1月23日 印刷向け表示
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ヘンリー英王子の回顧録『スペア』の発売は世界的にも大きな話題になっています。発売1週間で320万部を突破など勢いはまだまだ途切れなそうです。今のところ日本での発売は発表されていませんが、いつ、どのようなタイミングで登場してくるのか気になります。日本では2月には『安倍晋三 回顧録』という大きな回顧録が発売になります。

作者: 安倍晋三
出版社: 中央公論新社
発売日: 2023/2/8
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凶弾に倒れた、憲政史上最長の在任期間となった首相の回顧録は、そのものが歴史的な資料でもあります。オバマや、トランプ、プーチン、習近平といった各国要人とのやりとりも載録されているとのこと。

36時間にわたる未公開インタビューが白日の下にさらされます。

今月も気になる本がいっぱい見つかりました。その中からいくつかを紹介していきます。

作者: 伊藤 雄馬
出版社: 集英社インターナショナル
発売日: 2023/2/24
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このコーナーで紹介すると、必ず大きな反応が寄せられるジャンルというのがあります。それが「言語学」のジャンルです。最近だと『語学の天才まで1億光年』が話題になりましたし、過去には『ピダハン』などの有名ノンフィクションもありました。この『ムラブリ』はインドシナ半島の森で暮らす少数民族「ムラブリ族」のこと。言語学を志す著者はムラブリ族と出会い、彼らと暮らしをともにすることによって人間と言葉の事を考えることになります。ムラブリ族を描いたドキュメンタリー映画『森のムラブリ』も3月公開とのこと。あわせて体験してみては。

作者: 平松 洋子
出版社: 新潮社
発売日: 2023/2/1
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アスリートを食が支えているというのは近年の常識になりました。そこに徹底して迫ったのがこの『ルポ 筋肉と脂肪』です。大相撲親方、新日本プロレスの逸材、箱根駅伝チームの寮母、サッカー日本代表料理人、そして栄養士などにインタビューし、身体のメカニズムを探ります。

で…それを探った人が平松洋子さんだというのが非常に興味深いところ。食に関するエッセイの第一人者が手がけるとあっては、お腹が空いてくる文章も期待出来そうです。料理好きにも手にとって欲しいノンフィクション。

作者: ディペシュ・チャクラバルティ
出版社: 晶文社
発売日: 2023/2/2
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環境に対する取組や、生き方の見直しにまつわる本は2023年の出版業界においても大きなテーマのひとつとなりそうです。著者、ディペッシュ・チャクラバルティ教授は歴史学者、人新世研究において多くの人に影響を与えている方です。その記念碑てきな講義「タナー講義」を日本語に訳したのがこちら。環境危機をファクトフルに考えるための教科書的な1冊となりそうです。

大宅賞もとった安田峰俊さんが描くのは、北関東に張り巡らされた「移民」たちのネットワークの実情。制度上移民がいないはずなのに、技能実習生制度の名の下に多くの実習生が日本に入国してきています。彼らはいつしか不法滞在「移民」としてアンダーグラウンドを形成するようになりました。

一方で、自国の経済発展によってその顔ぶれも変わっています。中国人からベトナム人に、そしてアンダーグラウンドネットワーク内だけで処理された事件は日本の警察組織を翻弄することになります。著者は様々な手を使い、北関東アンダーグラウンドのボス「群馬の兄貴」にたどり着きました。そこではどんな真実が見えてくるのでしょうか。

作者: ラッセル・A・ポルドラック
出版社: みすず書房
発売日: 2023/2/14
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脳科学ジャンルからはこちらを。脳画像研究の最先端科学者でもある著者が「行動変容のむずかしさ」を解説しています。「一年の計は元旦にあり」と、1月には「●●を変えよう!」と宣言する人も多いでしょう。さらに書店店頭では習慣の変え方の本も多く展開されています。が、その程度では習慣は変えられない!と著者はいいます。なぜ変えられないのか、そしてその困難の先に可能性はあるのか?変わりたい人に科学的に迫るノンフィクション。

作者: 栗澤 順一
出版社: KADOKAWA
発売日: 2023/2/22
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「書店がなくなっている」というニュースがあちらこちらから聞こえてきます。調査数字を見ても、本屋さんのない市町村は増えるばかり。一方で、書店員さんたちはその現実に立ち向かうべく様々なチャレンジをし続けています。この『本屋、地元に生きる』は、盛岡のさわや書店の書店員、栗澤さんのチャレンジを綴ったノンフィクション。書店店頭から飛び出し、本とのタッチポイント作りに駆け回るその姿は、出版業界人にとっては教科書とも言える一冊になりそうです。

一方で、YouTubeで大ブレイクというカタチで書店名を全国区にしたのが有隣堂。そのチャレンジが

という本によって描かれます。どちらも、新しい小売の姿を考えるビジネス書としても読めそうです。

*

2023年がスタートしました。値上げにリストラ、と暗いニュースが続いていますが、ノンフィクションは元気です。この他にも、ニュースの裏側にじっくり迫る意欲作が続々刊行されてきます。ぜひ書店店頭に足を運んでみてください!

決定版-HONZが選んだノンフィクション (単行本)
作者:成毛 眞
出版社:中央公論新社
発売日:2021-07-07
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『決定版-HONZが選んだノンフィクション』発売されました!

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