
首藤 淳哉
-
『オスとは何で、メスとは何か?』性は多様で当たり前
男と女のあいだには、深くて暗い河があるという。それは真っ赤な嘘だった。 男と女、広く生物でいえばオスとメスは、独立して存在しているわ…more
-
『ボーダー 移民と難民』私たちの内なる境界を考える
2022年12月14日本が好きで良かったことのひとつは、読むたびに自分がいかにものを知らないかを思い知らされることかもしれない。読めば読むほど、無知を痛感…more
-
『笑い神』漫才とは何か。笑いとは何か。
徒手空拳、という言葉がある。手に何も持たず、身ひとつで何かにのぞむことを指す。 漫才は文字どおり徒手空拳の芸だ。サンパチマイクの前で…more
-
『天路の旅人』「希有な旅人」の壮大な旅を描く大作
「沢木耕太郎が旅の本を出すらしい」 そんな噂を聞いたのは、そろそろ梅雨も明けようかという頃だった。 書棚からあわてて『深夜特急』を引…more
-
『コード・ブレーカー』生命科学の最前線を描く話題作
2022年11月21日ぼちぼち年末だというのに、年内に読み切れるのか途方に暮れるくらい注目のノンフィクションが目白押しである。その中でひとつだけ選べと言わ…more
-
『無人島のふたり』余命宣告された作家の最期の日々
訃報はいつだって突然だ。著名人が亡くなると、生放送中のスタジオに報道の人間が原稿をもって駆け込んでくる。速報は一刻も早く放送するのが…more
-
『文にあたる』校正の仕事は人生に似ている
本を読んでいて、誤植をみつけてしまうことがある。 粗を探しながら読んでいるわけではないのに、自然と目にとまってしまう。みつけるのは衍…more
-
『Qを追う』〈名無し〉の集団の正体に迫る
「ディープステートが、メディアも、判事も掌握した。証拠がない、なんて言うのは、見ようとしていないからだ。いいか。ここにバドワイザーの…more
-
『遠い声をさがして』なぜ羽菜ちゃんは亡くなったのか
子供が巻き込まれた悲しい事故のニュースを目にするたびに胸が痛む。幼稚園バスに置き去りにされた子供たちはどれほど心細い思いをしただろう…more
-
『アスリート盗撮』スポーツ界を動かした調査報道
世の中を動かした調査報道は、社員寮での会話から始まった。 東京・港区三田に、共同通信東京本社勤務の若手らが住む「伊皿子寮」がある。 …more
-
『語学の天才まで1億光年』超絶面白い語学本!
2022年9月9日表紙をみて思わず笑ってしまった。1光年は、光の速さで1年かかる距離だ。1億光年は1億年である。にもかかわらず表紙に描かれた人物は、遥…more
-
『世界は五反田から始まった』足元から歴史が広がる
東京は広い。長いこと住んでいても、まだまだ知らない場所がたくさんある。 著者は東京品川区の戸越銀座で生まれ、現在もそこで暮らしている…more
-
『ルポ 誰が国語力を殺すのか』子供たちは言葉を取り戻せるか。国語力崩壊の実態を描く衝撃のルポ
2022年8月6日著者がまず俎上に載せるのは、家庭、学校、ネットだ。貧困や虐待といった家庭環境の問題、言葉遣いがエスカレートしがちなSNSの問題、迷走…more
-
『工藤會事件』史上最凶の暴力団の頭をとれ!
私はふるさと九州をこよなく愛する人間だが、ひとつだけ、どうしても好きになれないところがある。ヤクザが幅を利かせているところだ。 九州…more
-
『誰も断らない こちら神奈川県座間市生活援護課』 どんな人も見捨てない。困窮者支援の最前線からの報告
2022年7月6日世の中がなんだかギスギスしているなぁと感じるようになったのは、いつ頃からだろう。電車でわずかに肩が触れただけで舌打ちされたり、高速道…more