おすすめ本レビュー
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『さよなら、野口健』愛憎入り混じる人間ドラマ。新しい人物ノンフィクションの誕生
2022年4月4日本書の書き出しは穏やかではない。なにしろ京都で名高い縁切り神社の話から始まるのだ。そこは「悪縁」を切ることのできる最強の縁切り神社と…more
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「他人の価値」から自分を取り戻す『当事者は嘘をつく』
人間が、人間の形を保つことは難しい。私たちの自我は、ふとした瞬間に境界を失う。深く傷つけられたなら、なおさら形は保てない。だからとい…more
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現代のがん治療は間違えているのか?『悪いがん治療:誤った政策とエビデンスはどのようにがん患者を痛めつけるか』は現役腫瘍内科医からの挑戦状だ!
2022年4月2日ある種の快感を抱きながら読んだ。漠然とそうではないかと勘ぐっていたことを、ものの見事に説明してもらえたからだ。がんの新薬が次々と登場…more
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『最後の砦となれ』未知のウイルスとの闘いの記録
「あなたはこの先、コロナ禍のことを忘れてしまうだろう」 もし面と向かってこんな予言をされたら、あなたはどんな反応を示すだろうか。「そ…more
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爆笑につぐ爆笑!オモシロ論文集『すばらしきアカデミックワールド』を読まずに死ねるか!
2022年3月27日真面目なタイトルに騙されてはいけない。ひかえめに言って、驚きにつぐ驚き、爆笑につぐ爆笑の一冊だ。必ずしも心理学に限定されている訳では…more
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地球人口が100億人に迫り、地球の負荷が激しくなっていく未来の危機にどう対抗すべきなのか──『魔術師と予言者――2050年の世界像をめぐる科学者たちの闘い』
この『魔術師と予言者』は書名だけみるとファンタジィ小説だが、その実態は2050年、人口が100億に達した時の地球環境の危機について考…more
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『逢える日まで 3.11遺族・行方不明者家族10年の思い』心はあの時から地続きなのだ
“十年ひと区切り”と人は言う。時間的な里程標として、十年は目安になりやすいのかもしれない。 2021年3月、「震災から十年」という文…more
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『自分で始めた人たち』人を通して地域を知る面白さと、「民主主義」を自分の言葉で語ること
本書『自分で始めた人たち』では、政治に頼らず、市民が自治体と手を繋いで、地域を変える旅に出る。コロナ騒動の最中、また個人の尊厳が注目…more
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エネルギー問題から読み解く『新しい世界の資源地図』
2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻を目の当たりにし、世界に激震が走った。そしてその傍ら、エネルギー市場も世界的なショックの渦…more
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『二本の棘 兵庫県警捜査秘録』元捜査一課長が振り返る痛恨の未解決事件
「アマチュアは勝ちを語り、プロは負けを語る」という。 本書は、捜査のプロが負けについて語ったものだ。負けた記憶は、警察を辞めた今もな…more
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『mRNAワクチンの衝撃 コロナ制圧と医療の未来』
2022年3月14日新型コロナウィルスCOVID-19のパンデミックは多くの人たちに災厄をもたらした。どうやら定期的に訪れるこのコロナウィルスのパンデミ…more
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『ヒトの壁』ミクロとマクロを行き来する柔軟な脳ミソでヒト社会を考察
2022年3月13日ウィルスの大きさでヒトを見てみたら? こうきたか。これが、養老孟司の視点だ。新型コロナウィルスの顕微鏡写真がテレビ画面に映し出される…more
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もしも、あなたが『児童養護施設で暮らすということ 子どもたちと紡ぐ物語』
2022年3月11日あなたは「児童養護施設」を、ご存知だろうか? 名前だけは知っている、知り合いに出身者がいる、どんな状況であっても、いまの日本の現実と…more
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『おもちゃ』彼女が転落した理由
この人をみるたびに、「アンバランス」という言葉が思い浮かぶ。元参議院議員の河井案里である。芸能人や文化人にもアンバランスな人は多いが…more
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『働かないアリに意義がある』集団に「働かないメンバー」がいることで「想定外」に対処できる
2022年3月7日2020年に世界を襲った新型コロナウイルスは、人間という「コロニー(集団)」に何をもたらしたのだろうか?本書は進化生物学者がアリを対…more