おすすめ本レビュー
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『福島モノローグ』他者の言葉に耳を澄ます 花びらのように声を拾う
2021年4月3日本書の著者いとうせいこう氏は、東日本大震災の死者をテーマにした小説『想像ラジオ』を書いたのをきっかけに、福島を訪れて人々の話に耳を傾…more
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『永訣 あの日のわたしへ手紙をつづる』 3月11日の自分に書く手紙 そこには希望が綴られている
本書は、SFやファンタジー小説のようなタイムワープができたら、という設定がなされている。あの大地震と原発事故の被災者であり、年齢も性…more
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『「低度」外国人材』日本社会が依存する外国人はどんな人たちなのか
2021年3月31日「人材」という言葉がちょっと苦手だ。どうもこの言葉には人をスペックだけでとらえているようなニュアンスを感じてしまう。使えるか使えない…more
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奇跡の付き人、げそ太郎 『我が師・志村けん』
2021年3月29日昨年、新型コロナで急逝した「笑いの王様」志村けん。本書は、1994年から7年に渡ってその付き人を務め、朝から晩、海外ロケまで同行した…more
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『起業の天才! 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』リクルートを生んだ希代の経営者の光と影
2021年3月27日本書はさまざまな読み方ができる多面的なビジネス書である。江副浩正という希代の経営者の波乱に富んだ人生をつづった伝記として、戦後のわが…more
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世紀の奇書?『土葬の村』は貴重な民俗的資料である
かつて日本でも広くおこなわれていた土葬。いまや絶滅危惧である。土葬のみならず、野焼き火葬や風葬も同じ運命だ。これらの習慣がなくなると…more
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あらゆるコミュニケーションに応用できる方法論『患者の話は医師にどう聞こえるのか』
2021年3月21日「医学が技術的に進歩すればするほど、私たちはストーリーのはたす役割の重要性を再認識させられる」医師・患者のコミュニケーション、より正…more
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『戦前尖端語辞典』新語・流行語に見る「言葉」 今も昔も変わらないあり方
2021年3月20日"寝る前に読む本、通勤時に読む本と状況に合わせて本を読み分けている人は少なくないだろう。私もそのひとりだが、意外に難しいのがトイレで…more
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『内心被曝 福島・原町の10年』「心の復興」を遂げた4つの家族の物語
2021年3月18日本書は、日々の生活の中で「心の復興」と真摯に向き合う人間の力強さが伝わってくる1冊である。舞台となる福島県南相馬市は、福島原発から2…more
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『存在しない女たち 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く』“女性は虐げられている”は勘違いじゃない!
本書ではブラジル生まれの英国籍を持つジャーナリストで女性権利活動家のキャロライン・クリアド=ペレスが、日常生活のなかで常識として通っ…more
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『ヒトはなぜ自殺するのか 死に向かう心の科学』死について考えることと、生について考えること
2021年3月13日テーマがテーマだけに、気分が落ち込んでいるときに読むべき本ではないだろう。しかし、気持ちが落ち着いているときに、自殺というテーマに関…more
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『起業の天才!』リクルート創業社長、江副が社会を不安がらせた理由
世代的に、リクルート事件のことを知らない。むしろ、就職氷河期世代の私にとってのリクルートといえば、「エリート学生を超青田買いしてい…more
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身体と脳の寿命のギャップを埋める処方箋 『脳寿命を延ばす』
2021年3月9日脳寿命を延ばすにはどうしたら良いのか。本書はそこに的を絞って書かれている。私のライフプランは健康長寿が前提だ。50歳で起業して70歳…more
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『潜匠 遺体引き上げダイバーの見た光景』宮城の海に潜り続けた男の濃密な半生を描く評伝
その人にしか語り得ない境地というものがある。人生は十人十色だが、特殊な技能が必要で、なおかつ特異な環境に我が身を起き続けた人の軌跡は…more
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『絶望死のアメリカ 資本主義がめざすべきもの』米国が直面する悪夢 レントシーキングの罪
"われわれ人類の平均寿命は延び続け、死亡率は低下し続けている。それは、先進国と発展途上国の別なく起きている。当然、喜ぶべき事象だ。 …more