東 えりか
2008年に書評家として独立。「週刊新潮」と「ミステリーマガジン」などでノンフィクションの書評担当のほか、「信濃毎日新聞」の書評委員。現在は小説の書評の仕事と半々。「NEWS本の雑誌」の記者でもある。好んで読むのは科学もの、歴史、古典芸能、冒険譚など。
-
『人間に向いてない』きっとあなたは三回嘔吐く。その後暖かいなにかに満たされる。
"『人間に向いてない』の文庫が発売されるタイミングで、このパンデミックが起こったことに、因縁めいたものを感じてしまう。本書に描かれる…more
-
『病魔という悪の物語 チフスのメアリー』あなたは本当に“大丈夫”
約100年前のニューヨークで、腸チフスの無症候性キャリアで会った女性が、離島に合計で25年余り隔離された事実を追った物語である。彼女…more
-
『カラスは飼えるか』ほかの鳥だって可愛いよん。
2020年5月2日本書の著者はカラス研究者。『カラスの教科書』(雷鳥社、のちに講談社文庫)の単行本が上梓された時には、まず厚さに驚愕し、一読して、その…more
-
コロナに負けるな!朝会、HONZOOM!!!(その3)
2020年4月24日新型コロナ騒ぎで浮足立っていたけれど、気がつけば来週半ばからゴールデンウィークになる。季節もいいし、新緑も綺麗、いろいろな花も咲き誇…more
-
コロナに負けるな!朝会、HONZOOM!!(その2)
2020年4月22日"ZOOMでの朝会は混乱から始まりました。毎日何時間もZOOM会議や講義をしている人はともかく、ほとんど初めて、という人もいて、なか…more
-
コロナに負けるな!朝会、HONZOOM!(その1)
2020年4月20日"季節は春。新緑が目に眩しく、様々な花が咲き始めました。しかしいま、100年に一度という世界的な伝染病に見舞われています。新型コロナ…more
-
『忍者学講義』忍者、お主は何者ぞ⁉
2020年4月16日「忍者学」は立派な学問である。三重大学では、伊賀地域を中心とした忍者に関する教育研究を推進し、その成果を広く国内外に発信する国際的な…more
-
『巧拙無二 近代職人の道徳と美意識』武術家と刃物研究家との”真剣”対談
2020年3月27日"真剣での立ち合いを見るような、ヒリヒリと緊張感漂う対談である。 一人は武術家甲野善紀。日本古来の武術を伝書と技の両面から独自に研…more
-
『震災と行方不明』喪われたつながりを求めて
東北学院大学教養学部地域構想学科、金菱清ゼミナールによる震災の記録ブロジェクトから出版された震災関係の本はこれで10冊目になるという…more
-
新型コロナウィルスだけじゃない、伝染病のノンフィクションを読んでみよう!
2020年3月1日主だった感染症のノンフィクション一覧です。雑誌に掲載されたのは10年ほど前ですが、いま読み直してみても、歴史的に価値のある作品ばかり…more
-
『Gift-物語るケア』人はどう生きどう死ぬのか 看護・介護現場の貴重な証言集
2020年2月27日"本書は日本看護管理学会例会「病院看護と訪問看護のコラボ ― 本当に“事例から学ぶ”しくみを作ろう」というコンセプトから作られた「い…more
-
『「その日」の前に』よく生きよ、死を思え
カリフォルニアにあるプロヴィデンス聖十字架医療センターに入院する緩和ケアを受ける患者たちひとりひとりに対峙し、写真とともに彼らの考え…more
-
『2050年のメディア』メディアの栄枯盛衰を辿る記録
『2050年のメディア』は著者の下山進が文藝春秋に入社した1986年から、慶應大学湘南藤沢キャンパスでこのタイトルの講座を持つまでの…more
-
『映画監督 神代辰巳』読者を圧倒する重量と熱量! 日本映画史を辿る貴重な一冊
"1995年2月24日、67歳で亡くなった神代辰巳の作品には今でも熱狂的なファンが存在する。本書の刊行記念特集上映〈蘇る神代辰巳〉に…more
-
『片手袋研究入門』路上観察学会を震撼させた未来までを見渡す「考現学」
"手袋とは片方だけ落としやすいものだ。人生で一度も手袋を無くした経験を持たない人は少ないだろう。どんなに高級なものでも、落とすときは…more