鰐部 祥平
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『プーチンの国 ある地方都市に暮らす人々の記録』地方にこそ、国の姿がある
"その国の首都のみを見ていては、その国の本当の姿を知ることはできない。これは世界中のどの国にも当てはまる事実であろう。ロシアでもこの…more
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『ブラック・フラッグス 「イスラム国」台頭の軌跡』ザルカウィと群像
アフマド・ファディル・アル=ハライレー。それが本書の主人公の名前である。だが本名よりもこちらの名前のほうで世間には知られている。その…more
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『戦場を歩いてきた カラー写真で読み解く戦場のリアル』ジャーナリストが見つめた戦地の日常
本書は日テレの番組、NEWS24の「戦場を歩いてきた」というコーナーを書籍化した物である。戦場ジャーナリストである佐藤和孝が戦場で撮…more
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『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』地域型武装組織から国際テロ組織への変貌
2014年、ナイジェリアで学校の寄宿舎が武装した男たちに襲われ、200人以上の少女が誘拐された事件を覚えている人も多いであろう。事件…more
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『復讐者マレルバ 巨大マフィアに挑んだ男』 生きるために殺し続けた男。それは現代版の『罪と罰』なのか?
「マレルバ」とは雑草のことである。雑草こそが本書の主人公のアントニオ・ブラッソことジュゼッペ・グラッソネッリの少年時代のあだ名である…more
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『裁判所の正体 法服を着た役人たち』三権分立でさえ幻なのか
これは一人の元裁判官と一人のジャーナリストの対談である。しかし、元裁判官である瀬木比呂志があとがきで語っているように、対談集という枠…more
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『マリー・アントワネットの髪結い 王妃の素顔を見た男』王妃に仕えたある男の生涯
人をどのように評価するかは難しい。人間とは常に多面的かつ多層的な存在だからだ。しかし、私たちが他者を評価する際には、常に人の一面にス…more
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毒のある戦略論!『戦争にチャンスを与えよ』思考が振り子のように揺れる。
毒のある本だ。本書を読み始めてすぐにそう感じた。毒のある題名を付けて購読者の気を引き、中身は平凡でつまらない本も多数存在するのだが、…more
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『太陽王ルイ14世 ヴェルサイユの発明者』文化現象の北極点を創った男
2017年4月18日時間や空間を図るには確かな基準点が必要となる。しかし、贅沢や美しさという抽象的なものにも基準となる点や線は存在するのだろうか。フラン…more
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『発達障害』まずは正しい知識から。
近年、アスペルガーやADHDといった発達障害が注目を集めている。本書の冒頭でも述べられているが、テレビドラマの登場人物でも発達障害を…more
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『兵士に聞け 最終章』ついに完結する「兵士シリーズ」
ノンフィクション作家、杉山隆男の代表作といえば「兵士シリーズ」だろう。このシリーズは国防と言う重大な任務を背負いながら、国民にあまり…more
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『プーチンの世界 「皇帝」になった工作員』プーチンに備わった6つのペルソナを読み解く
"ウラジミール・プーチンという政治家は多くの謎に包まれた男である。ユーラシア大陸にまたがる大国を長年にわたり統治し、欧米の価値観や政…more
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『マラス 暴力に支配される少年たち』子供の姿こそ社会を映す鏡である。
学生時代からメキシコの貧困層の生活改善運動を研究しストリートチルドレンを見守り続けてきた、フリージャーナリスト工藤律子は2014年に…more
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『ロレンスがいたアラビア (上、下巻)』サイクス=ピコ協定からバルフォア宣言まで
1918年、トーマス・エドワード・ロレンス大佐はバッキンガム宮殿に呼び出される。ジョージ五世は笑顔で「贈り物があるんだよ」と語りかけ…more