仲野 徹
http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/nakano/
ノンフィクション、とりわけ伝記が好き。それが昂じて専門誌に「なかのとおるの生命科学者の伝記を読む」を連載。単行本(学研メディカル秀潤社)として上梓したところ、成毛代表の目にとまりHONZに参加。書籍購入費の抑制、および、仕事と飲酒と読書のバランスとれた鼎立、が永遠の課題。
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マーシュ先生ありがとう『脳外科医マーシュの告白』
2016年7月14日イギリスの有名脳外科医・マーシュ先生のエッセイ集である。25のエピソード、それぞれにマーシュ先生の思い出がつまっている。タイトルの『…more
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『がん 4000年の歴史』大いなる未完
2016年6月25日このようなあらすじを持つ本書『がん─4000年の歴史─』は、原著の副題A Biography of Cancerにもあるように、『が…more
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この現実を直視せよ 『万引き老人 「貧困」と「孤独」が支配する絶望社会』
2016年6月14日あちこちのスーパーに出向く保安員、現役の万引きGメンによって書かれた実録集である。20件あまりの事例が紹介されているが、それぞれに、…more
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悪魔が仕掛ける軍拡競争 『カッコウの托卵 進化論的だましのテクニック』
カッコウ、である。見たことがあるような気もするが、記憶は定かでない。しかし、「♪静かな湖畔の森の陰からもう起きちゃいかが」と鳴くとい…more
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読書の醍醐味ここにあり 『奇妙な孤島の物語:私が行ったことのない、生涯行くこともないだろう50の島』
2016年4月14日タイトルのとおり、50の孤島が紹介されている。『ドイツのもっとも美しい本』に選ばれただけあって、とても綺麗な本である。しかし、その印…more
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巨大生物は偉大なり 『巨大生物解剖図鑑』
2016年3月14日あらためて進化というのは面白いものだと感動した。なにをいまさらではあるが、百聞は一見にしかず。巨大生物の解剖と生理を目の当たりにする…more
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人間らしさあふれる伝記 『ムハンマド─世界を変えた預言者の生涯』
ムハンマド、あまりに人間らしさにあふれているではないか。といえば、不謹慎になるのだろうか。抜群に面白い伝記であった。イスラームの開祖…more
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知的興奮、大爆発!『生物はなぜ誕生したのか 生命の起源と進化の最新科学』
生命がどのようにして誕生し、進化してきたのか?だれもが興味をいだくテーマだ。完全にわかるということはありえない。しかし、あたらしい技…more
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アルツハイマー病のすべてがわかる!『記憶が消えるとき-老いとアルツハイマー病の過去、現在、未来』
2016年1月14日アルツハイマー病は、いうまでもなく、認知機能の低下と人格の変化を伴う認知症の一種である。認知症の6割をも占めるとされる疾患であるが、…more
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メルカトルからグーグルへ『世界地図が語る12の歴史物語』
2015年12月14日古代バビロニアに始まり現代で終わる、地図についての物語集だ。それぞれの地図が作られた時代が語られ、その意味とインパクトが語られる。一…more
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HONZイチオシ伝説の再来 『冒険歌手 珍・世界最悪の旅』
2015年11月14日ヤマケイ、たぶん調子にのっているんだろう。そうでないと、こんな本を再刊しようなどという話はでないはずだ。偉大なる冒険ノンフィクション…more
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祝!ノーベル医学生理学賞『大村智 – 2億人を病魔から守った化学者』
大村先生の伝記は、基本的に上り調子一本である。農家の長男に生まれ、地元の山梨大学を出て、東京で定時制高校の教員になる。なりたくてなっ…more
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『脳はすごい』としか言いようのない『ある人工知能研究者の脳損傷体験記』
2015年10月14日自動車の追突事故。幸いなことに外傷はなく、CTスキャンなどの検査でも異常は認められなかった。しかし、さまざまな神経障害で生活に大きな…more
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夢の抗がん剤はこうして生まれた!『フィラデルフィア染色体』
2015年9月27日『フィラデルフィア染色体』と聞いても、医学関係者以外は何のことかわからないだろう。それは、血液細胞の「がん」のひとつである慢性骨髄性…more