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『イノベーターズⅠ・Ⅱ 天才、ハッカー、ギークがおりなすデジタル革命史』AIはどこから来たのか? そしてどこへ行くのか?
2019年11月16日本書は、これまでの彼の作品とは一味違う。何といっても登場人物が220人を超えるというスケール感だ。チューリング、ENIACでのプログラミングを扱った6人の理系女性、アラン・ケイ、ショックレー半導体研究所を抜け出した8人の反逆者、ティム・バーナ……more
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『LNG』巨大ビジネスの誕生秘話
1969年11月、日本は液化天然ガス(LNG)の輸入を成功させた。購入したのは東京ガス・東京電力の連合で、三菱商事が交渉を取りまとめた歴史的快挙だ。本書は、LNG初輸入から50年の間、LNGという新たなエネルギー源の導入・普及のために関係者間……more
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『古典は本当に必要なのか、否定論者と議論して本気で考えてみた。』難問と相対する白熱の全記録
2019年11月13日2015年の文系学部廃止報道以降、日本の古典文学研究・教育は縮小の一途をたどっている。この危機に対して、古典(本書では主に古文・漢文を指す)の価値を訴える書物や討論は少なからず世に出てきたが、これらは守る側だけの論理で完結してしまっていたよう……more
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『危機と人類』を買ったのは、どういう人たちなのか?
2019年11月13日怒濤の出版スケジュールとなった文化人類学分野。ジャレド・ダイアモンドの新刊と、ユヴァル・ノア・ハラリの新刊と、ビル・ゲイツの絶賛を受けたデイヴィッド・クリスチャンの新刊が間をおかずに発売されるとは…惑星直列がおきたかのような状態です。さらには……more
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『2050年のメディア』ジャーナリズムの変化は足元から
2019年11月10日本書はこの四半世紀くらいの間、ネットの力によってどのようにメディアが変貌を遂げたのかという歴史を綴ったものである。なかでも中心的に描かれているのが、読売、日経、Yahoo!の三社。これらの企業で繰り広げられる綱引きは、まさにジャーナリズムの異……more
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今週のいただきもの:2019年11月3日週
2019年11月09日先週のメンチカツに続き、揚げ物欲が止まらないためドーナツを揚げてしまいました。ドーナツの原型は、オランダの小麦粉、砂糖、卵で作った生地を酵母で発酵させ、ラードで揚げたボール状のオリーボーレンという菓子だとされています。リング状になった経緯は様……more
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DNA鑑定とFACT 『DNA鑑定 犯罪捜査から新種発見、日本人の起源まで』
2019年11月09日本書は、著者が手がけてきたDNA鑑定の事例を紹介するだけでなく、「DNA」「染色体」「遺伝子」「ゲノム」といった言葉の使い分け方など、基礎的な知識も盛り込まれている。楽しく読める入門書だ。無論、おなじみの犯罪捜査に関する記述にも1章を割いてい……more
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『海峡に立つ 泥と血の我が半生』生臭い社会を駆け抜けた「フィクサー」の半生
2019年11月09日戦後最大の経済事件といわれる「イトマン事件」で逮捕された許永中が自身の半生を綴った自伝である。 許永中が語る戦後からバブル期までの日本は、現代のような漂白された潔癖な社会ではなく、政、財、官と裏社会が分かちがたく深く結びついた社会である。良……more
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ジャレド・ダイアモンドが導き出す、危機の枠組み──『危機と人類』
2019年11月08日『銃・病原菌・鉄』で一世を風靡したジャレド・ダイアモンドの最新刊がこの『危機と人類』である。主に七カ国を対象として、それぞれの国が陥ってきた危機と、それをどのようにして乗り越えてきたのか。また、今現在まさに危機にある国を取り上げ、比較しながら……more
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『ミヤザキワールド 宮崎駿の闇と光』
2019年11月06日本書は、海外における日本アニメ研究の第一人者による「宮崎駿論」決定版とも言うべき一冊である(原書はMiyazakiworld: A Life in Art, Yale University Press, 2018)。通読してまず実感するのは、……more
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『AI以後 変貌するテクノロジーの危機と希望』AIが突きつける「人間とは何か?」という根源的な問い
2019年11月04日本書は、AI以降の新しい世界の展望について、4人の異なる分野の世界的知性のインタビューを一冊にまとめたものである。…more
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『ガール・コード プログラミングで世界を変えた女子高生二人のほんとうのお話』ギークな女子高校生2人の痛快サクセスストーリー
2019年11月04日米ニューヨークで別々の学校に通っていた2人は、女子高校生向けのプログラミング講座「Girls Who Code」で出会う。Girls Who Codeは、IT業界における男女格差解消を目的に設立されたNPOで、夏にコーディングを集中的に学べる……more
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『テクノロジー思考 技術の価値を理解するための「現代の教養」』テクノロジーが変革する世界で我々はどう思考すべきなのか
2019年11月03日「『イノベーションか、死か』『テクノロジーか、死か』そういう時代を今、我々は否応なしに生きている」 こうした書き出しで始まる本書は、シンガポールを拠点として、長年にわたり世界各国のテクノロジーやイノベーションに投資してきたベンチャーキャ……more
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『奴隷船の世界史』それは過去完了では語れない、近代そして現代世界の暗部
2019年11月03日奴隷制は過去の西洋の暗部でもなければ、過去完了で語られる物語でもない。経済のグローバル化が拡大する今、自分が無自覚に誰かを「奴隷船」に乗せている世界に生きている、ということに気づかされる。…more