サイエンス
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ジェレミー・デシルヴァ著『直立二足歩行の人類史』を読む:ゴキブリ二足走行の謎と教訓
2022年8月15日人類の歴史に対するアプローチにはさまざまなものがあります。たとえばスヴァンテ・ペーボ『ネアンデルタール人は私たちと交配した』やデイヴ…more
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想像以上に広くて複雑な深海という世界──『深海学―深海底希少金属と死んだクジラの教え』
深海は調査が進んでおらず、海底よりも月の表面の方がわかっていることの方が多いとさえ言われる世界だ。だが、近年深海用の潜水艇などの高性…more
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その「絶好調」は、ただの勘違い?『科学は「ツキ」を証明できるか――「ホットハンド」をめぐる大論争』
2022年7月1日シュートが連続で何本も決まる。賭け事で勝ちが続く。名案が次々と浮かんでくる。そんな「ツイている」「波に乗っている」状況は、誰しも身に…more
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『地球外生命』地表から水が消える前に宇宙へ移住を!
2022年6月28日地球外生命の探求は、生命はどのように誕生したかという生命起源をめぐる根本問題と直結する。本書は分析化学を専門とする著者が、地球外生命…more
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『生命機械が未来を変える』を読んだら、日本の大学が束になってかかってもMITに負けるのではないかと心配になってきた
2022年6月27日『生命機械が未来を変える』ご恵送いただいたこの本、たいそうなタイトルやなぁと思いつつ軽い気持ちで読み始めたのだが、一気に読了。そして…more
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友好的なのが何より大事 『ヒトは〈家畜化〉して進化した──私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか』
ヒトはどうやって協力的なコミュニケーションを行うことができるようになったのか。 本書は、その問いに対してひとつの回答を与えようと…more
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「意識=制御された幻覚」というアイデア 『なぜ私は私であるのか──神経科学が解き明かした意識の謎』
科学にとって意識ほど難物なものはあるまい。赤いリンゴを見たときの、あの「赤い感じ」はどのようにして生じるのか。身体を所有し、自由意志…more
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『新型コロナはどこから来たのか 国際情勢と科学的見地から探るウイルスの起源』”ウイルス流出説”は陰謀なのか?
一時的なのか、それとも集団免疫を獲得したからか、新型コロナの発症数は減少している。世の中は、おそるおそるだがコロナ前の生活に戻ろうと…more
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『教科書名短篇 科学随筆集』大自然の前に愚かな自分を投げ出す科学者
2022年5月3日科学者がときとして見事な文章を書くことがある。本書は寺田寅彦(1878-1935)や湯川秀樹(1907-1981)など世界的科学者が…more
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神秘?いや、これは奇跡だ!『動物たちのナビゲーションの謎を解く:なぜ迷わずに道を見つけられるのか』
2022年4月27日動物たちは天才だ!心底驚いた。こんなに多様で素晴らしいナビゲーションシステムが動物に備わっているとは。 ナビゲーションというのは、採…more
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『脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論』訳者あとがき
2022年4月24日本書は2021年に刊行されたジェフ・ホーキンスのA Thousand Brains: A New Theory of Intelli…more
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地球人口が100億人に迫り、地球の負荷が激しくなっていく未来の危機にどう対抗すべきなのか──『魔術師と予言者――2050年の世界像をめぐる科学者たちの闘い』
この『魔術師と予言者』は書名だけみるとファンタジィ小説だが、その実態は2050年、人口が100億に達した時の地球環境の危機について考…more
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『mRNAワクチンの衝撃 コロナ制圧と医療の未来』
2022年3月14日新型コロナウィルスCOVID-19のパンデミックは多くの人たちに災厄をもたらした。どうやら定期的に訪れるこのコロナウィルスのパンデミ…more
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『働かないアリに意義がある』集団に「働かないメンバー」がいることで「想定外」に対処できる
2022年3月7日2020年に世界を襲った新型コロナウイルスは、人間という「コロニー(集団)」に何をもたらしたのだろうか?本書は進化生物学者がアリを対…more
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『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』文庫解説 by 今井 むつみ
2022年2月16日黒い空、オレンジ色の猫 「ヒュッゲ」ということばをこのごろよく耳にする。ウィキペディアでは、「ウェルネスかつ満足な感情がもたらされ、…more