事件・事故
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『医療現場は地獄の戦場だった!』社会構造のゆがみがウイルス蔓延につながる
2021年01月02日米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、世界の新型コロナによる死者数が170万人を超えたという(2020年12月22日時点)。最も多い米国では30万人を超え、1日の死者数が3000人以上の日もある。いまだ収束の気配は見えない。 医療現……more
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『ロシアン・ルーレットは逃がさない プーチンが仕掛ける暗殺プログラムと新たな戦争』「ロシアの敵」は世界のどこにいても殺される
2020年12月19日本書はバズフィード・ニュースの国際調査報道エディターであるハイディ・ブレイクと彼女のチームがプーチンによる暗殺事件を追った調査報道をまとめたものだ。 中心となるのは、新興財閥オリガルヒの一員でプーチンと対立するベレゾフスキーとその側近た……more
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『2016年の週刊文春』個人的2020年のベスト・ノンフィクションはこれ!
文藝春秋は、「文藝」と「春秋」がくっついた会社だとよくいわれる。もちろんこれはふたつの会社が合併したということではない。文藝は文字通り文芸作品のこと、春秋は日々の出来事が積み重なった年月を指す。文藝春秋という会社は、文芸と日々の出来事を追うジ……more
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『サイバー戦争の今』見えない戦争は既に始まっている
デジタルテクノロジー分野での国家間の対立は年々激しくなっている。本書では、最新のサイバー攻撃を取り上げながら、国際的なデジタルテクノロジー対立の最前線の動向をあぶりだす。機密情報の漏洩、知的財産を盗むスパイ工作、金銭目的の大規模犯罪、他国への……more
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『白い土地』原発被災地で生活する人々のルポタージュ
本書『白い土地』は、新聞記者である著者が福島県に拠点を置き、そこに生き抜く人々に焦点をあてた人物ルポタージュである。「白い土地」とは、《白地》と呼ばれる「帰還困難区域」の中でも「特定復興再生拠点区域」に含まれない土地を指す。2017年、政府は……more
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『ロッキード疑獄 角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス』
44年後に初めて解き明かされた事件の真相!全日空が導入を予定していた旅客機の選定に絡み、アメリカのロッキード社から巨額の金が日本の政界関係者に渡っていたことが発覚し、田中角栄元首相をはじめ多数の逮捕者を出した「ロッキード事件」。だが、これほど有名な事件でありながら、実はその全容は解明……more
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『誰が命を救うのか 原発事故と闘った医師たちの記録』指揮命令系統が崩壊するなか、最前線に立った人々の記録
東日本大震災の原発事故。その大混乱のなか、負傷者の受け入れ先になったのは福島県立医科大学付属病院。県内で唯一の二次被ばく医療機関の指定を受けていた。対応を任されたのは救急外来のリーダー長谷川有史。しかし彼には原子力災害から発生した負傷者を診療……more
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『組長の妻、はじめます。 女ギャング亜弓姐さんの超ワル人生懺悔録』裏社会に咲いた愛の物語
2020年04月13日面白い物語ではあった。しかし、予想は完全に裏切られた。エピソードの迫力は段違いで、半笑いで読み飛ばせる話はほとんどない。極めて重厚、ハードな犯罪ノンフィクションといって差し支えない。…more
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『ふくしま原発作業員日誌』原発作業員が安心して働ける社会を目指して
本書は東京新聞で連載されている「ふくしま原発作業員日誌」(2011年8月〜2019年10月)に大幅に加筆を加え書籍化したものである。作業員の人柄や日常の様子が生き生きと伝わるように、「日誌」という形にこだわった。そして、「日誌」と交差するよう……more
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『震災と行方不明』喪われたつながりを求めて
東北学院大学教養学部地域構想学科、金菱清ゼミナールによる震災の記録ブロジェクトから出版された震災関係の本はこれで10冊目になるという。自らも被災者である学生たちが、何らかのテーマを決めて同じ被災者へインタビューを行う、というプロジェクトは継続……more
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『孤塁』初めて語られた双葉郡消防士たちの「あの日」
2011年3月11日、福島県双葉郡では、多くの学校で卒業式が執り行われていた。通い慣れた校舎に名残惜しさを感じながら、子どもたちは未来への希望に胸を膨らませていたに違いない。だが14時46分、巨大地震がこの地を襲った。 本書は、双葉郡の消防……more
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『毒薬の手帖』それはダーティな1920年代アメリカで躍動する鉄人毒物学者二人の泥臭く革新的な功績
たまらなく渋くてカッコいい主人公の紹介から始めたい。表紙の写真左、試験管を持つちょっと神経質そうな男が化学者アレグザンダー・ゲトラー、その隣にいる大柄のヤギひげおじさんが病理学者でありニューヨーク市監察医務局長も務めるチャールズ・ノリスだ。本……more
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喪失が連鎖する時代の怖さ 『つけびの村』
2019年12月17日本書は、発生当時「平成の八つ墓村」として話題になった、2013年に起きた連続放火殺人事件を追ったルポである。地道な取材によって知り得たものを構成して、順序だてて読み手に示していく。裏の主人公は「噂」だ。さらに取材時に著者の身の回りに起きた出来……more
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天才プログラマーにして闇社会の帝王、超大金持ちにしてドケチ。その男の名はル・ルー。ドラマ化決定の『魔王: 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男』は超弩級のノンフィクションだ!
天才プログラマーであったル・ルーが次々と犯罪に手を染める。ドラッグ、武器、殺人、なんでもありだ。巨万の富を築き上げたが、麻薬捜査官の手が迫る。かつての部下が主役を演じたおとり捜査にまんまと引っかかり逮捕される。ル・ルーは何を証言し、どのような……more