教養・雑学
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『奥東京人に会いに行く』えっ? ここが東京? あなたの知らない東京の横顔
2019年12月07日奥多摩から始まった「奥東京」を巡る旅は、川や海を経て、最後は絶海の孤島・青ヶ島で終わる。本書が見せてくれた東京の姿は、驚くほど多様だった。21世紀は都市間競争の時代といわれ、東京はそのトップランナーに挙げられる。だがその言説は、経済面にフォー……more
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動物を愛し性を意識する人々 『聖なるズー』
2019年11月28日今年度の開高健ノンフィクション賞を受賞した傑作だ。京都大学大学院で「文化人類学におけるセクシュアリティ研究」に取り組む女性が、単身ドイツに渡り、複数の動物性愛者(ズー)の家を泊まり歩いて丹念に取材している。最初私は「動物性愛」ときいて腰が引け……more
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持続可能なコーヒー栽培を目指して──『世界からコーヒーがなくなるまえに』
2019年11月25日コーヒーを日常的に飲む国が増えたこともあって、世界のコーヒー需要は年々あがっている。 一方で、大量生産と安価な供給を目指し大規模に工業化されたコーヒーの栽培、育成が大地に与える悪影響。また、全世界的な気候変動が伴って㉚年後には今のように……more
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「神保町」へ、ブラHONZしてきました
2019年11月24日はーい、こんにちは。好評だった箱根本箱に続く、2回目のブラHONZは、本の街・神保町です! 神保町といえば、世界最大の古書街で、たくさんの出版社が集まる、まさに本好きの聖地。第1回の箱根本箱に続き、私・塩田春香と足立真穂が、神保町散策&……more
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『美味しい進化 食べ物と人類はどう進化してきたか』
2019年11月21日日頃からなじみのある食べ物でも、進化のレンズをとおして見ると、思いがけない事実が浮かび上がってくる。たとえば、パンケーキ(ホットケーキ)……おもな材料は、卵・小麦粉・ミルクだ。これらの共通点はなんだろう? その答えはすべて生命進化の大いなる分……more
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『ミヤザキワールド 宮崎駿の闇と光』
2019年11月06日本書は、海外における日本アニメ研究の第一人者による「宮崎駿論」決定版とも言うべき一冊である(原書はMiyazakiworld: A Life in Art, Yale University Press, 2018)。通読してまず実感するのは、……more
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タピオカドリンクがヤクザの資金源に?『教養としてのヤクザ』
「教養」がブームになってひさしい。2010年代の前半から『教養としての○○』というタイトルの本も数えきれないほど発売されている。そんな中、『教養としてのヤクザ』というタイトルの本を書店で目にして、つい手に取ってしまった。完全にタイトル勝ちであ……more
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『この作家この10冊2』私の担当は「北方謙三」
2019年10月28日私が紹介したのは「北方謙三」。ご存知“顔文一致”のこわもて作家である。知っている人は知っているだろうが、私は彼の秘書を22年務めた。作品の資料を集め整理するのが仕事のひとつだったので、多くの作品が生み出される現場にいたのだ。そして私のオススメ……more
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真の教育、オックスフォード大学にあり『教え学ぶ技術 問いをいかに編集するのか』
2019年10月27日オックスフォード大学・苅谷剛彦教授によるチュートリアル(個人授業)の模擬講義。学生に、いかに気づかせ、いかに考えさせるのか。膨大な資料を読み込み、自分の頭で考え、アウトプットさせる。真の教育がここにある。…more
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『お砂糖とスパイスと爆発的な何か 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門』私にもあった女性差別の驚き
2019年10月16日『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』は一般向けフェミニズム評論だ。著者の北村紗衣の専門はシェイクスピアのフェミニスト批評。東京大学で学士、修士を、キングズ・カレッジ・ロンドンで博士号を取得している。北村は年に百本の映画を映画館で観て、百本くらい……more
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幸福になるためのワンコイン投資(ただし税別) 『逃げろ 生きろ 生きのびろ! 』
2019年09月27日『ガンジス河でバタフライ』のたかのてるこの『生きる』シリーズ第二弾。幸せになるのは何も難しいことじゃない。世界各地で撮影した素晴らしい笑顔とともに、その秘訣が授けられる。あなたの家にもぜひ一冊!…more
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『哲学と宗教全史』読み終えたとき、旅がはじまる
本書では、どのような人物がどんな宗教や哲学を生み出してきたのかを歴史の流れの中で学ぶことができる。今までの歴史本よりも人物にスポットライトが当たっているのだ。例えば、ヨーロッパでプラトンやアリストテレスが建てた大学がローマ皇帝によって閉鎖され……more
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地図帳は、愛玩物であり夜空である 『地図帳の深読み』
2019年09月15日帝国書院の本だ。そう、あの地図帳で有名な出版社である。ほとんどの教科書は捨ててしまったが「地図帳」だけは手元に残しておいた、という方も多いのではないだろうか。本書は、そんな方にピッタリの本である。とっておいたのは、表向きには「ニュースの時に確……more