社会
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『霞が関の人になってみた 知られざる国家公務員の世界』「官僚」の魅力とシビアな現実をゆるーく語るエッセイ
国会中、大臣や議員の背後で控えている人々。中継を見ていても、どこか厳めしく無機質で、原稿を読むときもぼかしたような言い回しをする。「…more
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『ボーダー 移民と難民』『北関東「移民」アンダーグラウンド』 日本に住む“移民たち”の裏表
日本が難民の受け入れに厳しいことは知っていた。しかし生活圏内のコンビニや建築現場などに外国人がたくさん働いていて、いまやなくてはなら…more
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『おやじはニーチェ 認知症の父と過ごした436日』ボケた父親との会話は禅問答
超高齢者社会をひた走る日本では、親族に認知症がいるのは珍しくない。コロナ禍で人に会わなくなって発症者が増えたのか、街中で怒鳴る老紳士…more
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『師弟百景』「背中を見て覚えろ」はもう古い!?
「秘伝のタレ」というやつが嫌いである。テレビで飲食店が紹介される際によく耳にするが、あまりにいい加減だと感じる。鰻のタレも焼鳥のタレ…more
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『父ではありませんが 第三者として考える』「ではない当事者」の視点が気づかせてくれるもの
2023年3月31日「産まない人生を歩みたい」この思いを大っぴらに口にするのは憚られてきた。でもその「言いにくさ」の正体とは何なのか。 「父親ではない当…more
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『ワグネル プーチンの秘密軍隊』謎の軍隊に属した元傭兵の回想録
膨大な死傷者を出しつつウクライナで存在感を示したPMC(民間軍事会社)ワグネル。プーチンの秘密の軍隊ともいわれ、2014年のウクライ…more
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なぜこの学校の生徒たちは生き生きしているのか?――『東大よりも世界に近い学校』
2023年3月16日「こんなんじゃ売れない。全然ダメ」 初校になるかならいかというタイミングの原稿とタイトル案を見て、ある人はこう言った。 これは誰のた…more
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『小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか』情報社会の「災い」の構造を読み解く
東京五輪直前の猛バッシングを覚えている人も多いだろう。世間から指弾されたのは、国際的にもその音楽性を高く評価されていたミュージシャン…more
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『テキヤの掟 祭りを担った文化、組織、慣習』「暴力団博士」が調査する、共同体を成し、落伍者でも受容する商売人たちの貴重な回顧録
露天商――テキヤを暴力団と同一視するのは誤りである、と著者は力説する。犯罪社会学・社会病理学の研究員で、法務省委託の保護司としても活…more
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『武器としてのエネルギー地政学』エネルギーの超基本を徹底解説
日本でエネルギーがここまで話題になるのは2011年の東日本大震災以来だろうか。ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した天然ガス価格高騰…more
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『安倍晋三 回顧録』歴代最長政権の舞台裏を明かす
注目の一冊がついに刊行された。巻末の人名索引まで含めると472ページだが、厚さはまったく気にならない。面白すぎて一気呵成に読み終えた…more
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『スラッジ: 不合理をもたらすぬかるみ』悪い行動経済学
スラッジ(SLUDGE)、直訳すると、泥、ぬかるみである。 煩雑な申請、長い待ち時間、何を書けばいいのかよくわからない書類など、摩擦…more
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『傷つきやすいアメリカの大学生たち』「自分の気持ちの安全」が育む激しいキャンセル活動の根源を探る
2023年2月7日著者2人が問題提起するのは、2013年以降、アメリカの大学内で度々発生する、言論の自由、学問の自由が脅かされる事態についてだ。それも…more
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『ある行旅死亡人の物語』あなたは誰?身元をたどる渾身のルポルタージュ
2023年2月4日「行旅死亡人」とは病気や行き倒れ、自殺等で亡くなった身元不明の死者を表す法律用語である。死亡人は身体的特徴や発見時の状況を官報に公告…more
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『ネット右翼になった父』「なぜ?」の先に「分断」を解消するヒントが見えてくる
2023年2月3日身近な人が豹変してしまうのを見るほど辛いことはない。家族が認知症になったとか、カルトに入信したとか、そんなハードな話なら聞いたことも…more