4月の今月読む本 その1

2014年4月2日 印刷向け表示
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祝 桜満開 !!

朝会を行う六本木のミッドタウンの窓からも、桜がきれいに見えます。

それなのに今日の出席は過去最低の人数です。新年度が始まったばかりなので仕方ないのかもしれませんが、ちょっと寂しい朝会となりました。

景気づけと言っては何ですが、普段は一番最後にそっと紹介する遠藤をトップバッターにしました。

遠藤陽子

名曲誕生―時代が生んだクラシック音楽

作者:小宮 正安
出版社:山川出版社
発売日:2014-03
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クラシック音楽の歴史をたどる一冊で、中世までの演奏法や声楽と器楽の地位の差、などか書かれているそうで付箋がいっぱい。いよいよレビューにデビューする日が近いみたいです。

鰐部祥平

レニングラード包囲戦の中、ラジオで演奏を続けたオーケストラ。ショスタコーヴィチの超大作、交響曲第七番『レニングラード』を現地初演しようとする80人の音楽家たちのドキュメンタリー。虐待を受けた子供たちの気持ちを素直に表した言葉も重いです。菅洋志さんは没後1周忌のメモリアル写真集。

新井文月

日本はキャラクター天国で、最近はとみに顕著です。ソフトバンクの犬のお父さんを例にして説明を。中沢新一の対談集はクロード・レヴィ=ストロースに興味を持って、ゴッホにひまわりは世界に11点存在しているとか。

新井はこの夏、アメリカでの個展を目指しています。4月1日より開催実現のためのクラウドファンディングを始めました。ぜひ皆様のご支援をお願いします。美術家、新井文月のニューヨークへの挑戦状!

東 えりか

もうすぐ「アクト・オブ・キリング」というドキュメンタリー映画が公開されます。日本の占領下だったインドネシアの研究を皮切りに、多くの著作を持つ東南アジア社会史研究者、倉沢愛子の本から背景を知っておきたいので。『まじない~』は日経新聞の記事を見て興味を持ちました。変な魚を釣って歩く旅行記は痛快です。

麻木久仁子

関東大震災のときに起こったと言われる朝鮮人虐殺。震災から順に、当時記録されたものを時系列に並べたもの。アンダーグラウンドの経済は、確かに合理的に考えられる悪い奴がつよいでしょうね。古代の日本は、世界の情報を驚くほど取り入れていたという話も興味深いです。

内藤順

可愛そうに『Mad Science2』は学生メンバーの峰尾がカブってしまいました。危険な実験ばかりする本書、見ている分には面白いです。経営コンサルタントの裏側を描いた『申し訳ない~』はタイトルが魅力的。テンプル・グランディンの新刊は、多分土屋も用意してたはず。前作『動物が幸せを感じるとき』のレビューも参考にしてください。

田中大輔

今週のメルマガ「編集者のワンコイン広告」で紹介した『アメリカの~』カバーの絵がステキ。世代を100種類に分けたというのも画期的。服飾史の中で、絵画に描かれた洋服というのは研究対象として面白そう。現代のコレクションでも参考にしているそうです。

足立真穂

戦国時代を得意とする作家、伊東潤がお城のうんちくを語る!城マニア、結構多いです。筒井さんの新刊は、小説家になりたい人は必読かも。東京オリンピックを控え、日本人のおもてなし精神に磨きをかけましょう。

峰尾健一 

偉人は死ぬのも楽じゃない

ジョージア ブラッグ

ちょっとふざけたカバーだけど内容は強烈らしい。かなり血生臭く偉人の死の間際を忠実に書き起こしているそうで、注意書きに気の弱い人は読まないように、と書かれているとか。学生メンバーの峰尾、なかなかいい選書です。

神谷昌彦

進化論を数学で証明しようという、生物の核をなす数学的構造を摘出するという難業に挑もうとする一冊だけど、数学者ってすごいことを考えますね。インターネットが社会の構造を変えるのは、もはや当たり前なのか。今日のニュースに武雄図書館のことが出てました。それだけ入っても赤字なのか。

久保洋介

チャルディーニには『影響力の武器』という名著があるそうです。新刊は実践編。アメリカの新聞戦争のでっち上げ記事。なんだか今のマスコミとあまり変わらないような…。京都の錦小路に店を構える包丁の有次をミーツ・リージョナル元編集長の江弘毅が取材。

今回は時間もあったので、それぞれの思いのたけが話せました。表には出せない話もテンコ盛りで、笑ったり驚いたり憤慨したりと意外にも忙しい朝会でした。

「4月の今月読む本 その2」は日曜日にアップの予定です。東京の桜は週末いっぱい持つでしょうか。花見にお忙しい方もそうでない方も、お楽しみにお待ちください。

決定版-HONZが選んだノンフィクション (単行本)
作者:成毛 眞
出版社:中央公論新社
発売日:2021-07-07
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