栗下 直也
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『ファシズムの教室 なぜ集団は暴走するのか』「正しさ」という思考停止、集団暴走の仕組みを学ぶ
2020年7月4日"白いシャツにジーパン姿の約250人が室内で足を一斉に踏みならす。「ハイル、タノ」の大声とナチス式敬礼で指導者に忠誠を誓う。屋外に出…more
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『天才の考え方 藤井聡太とは何者か?』常人には理解しがたい? 天才棋士たちの思考を覗く
2020年5月30日勝負事にどのような気構えで臨むのか、運やツキを信じるか、自分の「型」にはどこまでこだわるべきか、事前の研究はどのようにすべきか、直感…more
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『ヤクザときどきピアノ』50代ヤクザ専門ライター、憧れのピアノに挑む
2020年4月18日運動でも始めようか、せめて食生活を変えようかと決意して何回目の春を迎えただろうか。実は、腹まわりがここ5年で10センチメートル増えた…more
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『昔は面白かったな 回想の文壇交友録』文壇を回顧する超高齢対談、見え隠れする死の影
2020年3月14日"芥川賞を受け、時代の寵児になり、東京都知事も務めた作家の石原慎太郎氏と、同時代を生きた文芸編集者である坂本忠雄氏。対談形式で、昭和…more
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『息子たちよ』週1日「五時間の父親」が2人の息子に寄せた思い
2020年2月8日"著者は「本の雑誌社」の創業メンバーで文芸評論家としても名高い。書評を切り口に、家族の思い出を重ねるエッセー形式で、息子たちへの思い…more
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『お金本』カネには色がないが、使い手には色がある
2019年12月28日経団連の1次集計では、大手企業に限れば冬のボーナスの平均額は過去最高なのだという。ほくほく顔の人もいれば、まったくピンと来ない人もい…more
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『「してはいけない」逆説ビジネス学』読むと起業したくなくなる? 傷だらけ試行錯誤の説得力
2019年11月23日2019年のビジネス本で一番の奇書といっても過言ではないだろう。タイトルの長さに目を奪われるが、内容も語り口こそ熱いながら読み手のモ…more
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『奴隷船の世界史』それは過去完了では語れない、近代そして現代世界の暗部
2019年11月3日奴隷制は過去の西洋の暗部でもなければ、過去完了で語られる物語でもない。経済のグローバル化が拡大する今、自分が無自覚に誰かを「奴隷船」…more
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『チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学』緩くつながり、ときに裏切り、香港で見たアングラ経済の姿
2019年9月21日"2016年に香港の大学に客員教授として所属した著者は、ひとりのタンザニア人、カラマと知り合う。彼は「チョンキンマンションのボス」と…more
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『ベストセラー伝説』予想外のヒットを生む、変わらない「ぶれない心」
2019年8月3日ベストセラー伝説 (新潮新書) 作者:本橋 信宏 出版社:新潮社 発売日:2019-06-14 1956年生まれの著者が思い入れのあ…more
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『人生で大切なことは泥酔に学んだ』悲しいかな、酒を呑んでしくじったところで人生は終わらない
2019年7月3日日本は失敗が許されない社会といわれてきた。一度、レールを踏み外すと、再浮上が難しい。組織の論理も加点よりは減点に重きを置く。だが、悲…more
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『ストーカーとの七〇〇日戦争』勇気ある行動が教える、社会の硬直性の破り方
2019年6月29日著者は専門家への相談を重ね、「ストーカーは病気」との結論に至る。治療の効果も認められていることから、加害者に治療を望むと、「加害者を…more
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『執念深い貧乏性』無意識の隷属状態からいかに抜け出すか
2019年5月25日読者を選ぶ本だろう。タイトルからは内容を想像できず、目次を眺めたら困惑してしまうはずだ。第1章「どすこい貧乏、どすこいセックス─女力…more
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『性と欲望の中国』爆買いから爆セックスへ
2019年5月20日「爆買いから爆セックスへ」。手に取るのを敬遠してしまいそうな帯だが、先日、『八九六四』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した著者の…more
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『企業ファースト化する日本 虚妄の「働き方改革」を問う』働き方「改革」は「改悪」になるのか
2019年4月6日著者が嘆くように、人間は忘却する生き物だ。記憶を無意識に編集しながら生きている。だが、忘れるにしても、知らなければ何も始まらない。企…more