おすすめ本レビュー
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『古代中国の24時間』英雄たちの歴史の陰に民衆の変わらぬ日常があった
2022年1月22日英雄の陰には、名もなき民の支えがあるものだ。こうした人々の日々の営みの集積もまた、歴史を動かす要因になったことだろう。ならば、その時…more
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批判、嘲笑、挫折。底をつく資金 『ディズニーランド 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで』
よくできた物語は、幸せな家庭の食卓のようなものだ。誰かの意図によらず会話が転がって、やがては笑顔でつつまれる。破格の大事業を成し遂げ…more
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『SS将校のアームチェア』ユダヤ系歴史家の調査が 「一般のナチ」の姿に迫る
2022年1月15日本書の著者、ダニエル・リーは第2次世界大戦を専門とする歴史家で、ユダヤ系英国人でもある。あるとき彼に依頼が舞い込んだ。依頼主はヴェロ…more
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『言葉を失ったあとで』耳を傾け言葉を引き出す 「聞く」ことのプロの対話
2022年1月8日ただ、本書が扱うテーマは重い。2人が対峙してきたのは「言葉を失った」人々である。暴力によって尊厳を踏みにじられた人を前にすると、私た…more
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「大地変動の時代を生き延びるために知ってほしい岩石の世界『岩石と文明』
地面には土と岩があり、少し掘ってみると硬い岩石がある。こうした土や岩を研究するのが地質学で、既に300年近い歴史をもつ。地質学者にと…more
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過激主義組織はどのように人を勧誘し、虜にするのか?──『ゴーイング・ダーク 12の過激主義組織潜入ルポ』
2022年1月5日この『ゴーイング・ダーク』は、イスラム聖戦主義者やキリスト教原理主義者、白人のナショナリストや極右の陰謀論者、過激なミソジニストたち…more
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『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』、『学校!高校生と考えるコロナ禍の365日』今を生きる若者の確かな「希望」を感じる2冊
2021年12月29日90万部の大ベストセラーとなった『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は、英国地方都市に住む、母が日本人で父がアイルランド人…more
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「ファイザーワクチン」誕生秘録は、疾走感あふれる奇跡のサクセスストーリーだ!『mRNAワクチンの衝撃: コロナ制圧と医療の未来』
2021年12月27日この本は大きく三つの内容から成立している。ウール夫妻がいかに決断して迅速に基礎研究を進めていったか、ビオンテック社の成り立ちなどバイ…more
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『反逆の神話〔新版〕: 「反体制」はカネになる 』カウンターカルチャーへの愛憎相半ばする複雑な気持ち
"本書のハードカバー版の表紙には、かの有名なチェ・ゲバラのアイコンがあった。自分たちのための本だと誤読し、普段はこの手の本を読まない…more
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この世の不幸が集まったような清の女性の暮らしを体験『私がクリスチャンになるまで――清末中国の女性とその暮らし』
私がクリスチャンになるまで 清末中国の女性とその暮らし 作者:アデル・M・フィールド 出版社:東方書店 発売日:2021-09-15…more
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『金融庁戦記 企業監視官・佐々木清隆の事件簿』金融庁の異色幹部 多くの経済事件に対峙
2021年12月18日"本書の主役で「霞が関のジローラモ」と呼ばれた佐々木氏は、大蔵省(現財務省)への入省以前からかなりの異彩を放っていた。東京大学法学部…more
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『東京ルポルタージュ』東京の「いま」がわかる31の物語
2021年12月16日"今年は異常な年だった。いや、昨年に続いて、というべきかもしれない。 「あっという間に年末ですね」「なんだか1年が終わる手応えがな…more
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『Invent & Wander──ジェフ・ベゾス Collected Writings』イノベーターを次々と生み出すアメリカの底力
2021年12月14日ジェフ・ベゾスの本だから読んでおかなければと思い、本書をめくり始めたのだが、あまりの面白さに止まらなくなってしまった。あらゆるところ…more
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『死体格差 異状死17万人の衝撃』異状死体解剖率は1割程度 日本の死因究明が抱える問題
2021年12月11日"本書は、海外では8割近い国もある解剖率が1割程度にとどまる日本の現実や、国内でも死ぬ場所によって解剖されるかどうかが決まる地域間格…more