「解説」から読む本
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『ヒトの目、驚異の進化』「視覚の進化革命」がここから始まった
2020年03月06日著者のマーク・チャンギージーは、1969年生まれの進化神経生物学者。カリフォルニア工科大学の特別研究員、レンスラー工科大学准教授などをへて現在はヒューマンファクトリー・ラボという研究所を主宰。認知と進化についての独創的な研究で世界的……more
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『がん免疫療法の突破口(ブレイクスルー)』ブレイクスルーに至る100年史
2020年03月05日がんの治療の世界で、今世紀に入ってから、まさにそのブレイクスルーが起こった。本書は、そのブレイクスルーに至るまでの、100年以上にわたるがん免疫療法の歴史の解説書だ。医学的な解説書としても貴重だが、その歴史に関わってきた人たちが織りなすドラマ……more
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『ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた』
2020年02月27日本書は、1960年前後に生まれた世代のテレビや音楽やレコードへの接し方についての大切な記録であることはもちろん、クラシック音楽を好きになるとはどういうことなのかを考えるためのひとつの入門書でもあり、青山少年の成長物語でもあるだろう。 こ……more
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『デジタルで読む脳 X 紙の本で読む脳 「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる』
2020年02月06日紙の本をはじめとする印刷媒体から、デジタル媒体へーー私たちの読む体験は劇的に変わろうとしている。では、そのことは、読む脳にどんな影響を及ぼすだろう? そもそも紙とデジタルでは、読む脳の回路にどんな違いがあるのか? デジタル脳がますます優勢にな……more
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『評伝 石牟礼道子 渚に立つひと』
2020年01月29日米本浩二によるこの『評伝 石牟礼道子 渚に立つひと』はイギリス的な基準においてまこと正統な伝記である。 わざわざ大げさにイギリスのことを持ち出したのは、この評伝を読んだぼくが少し当惑しているからだ。米本は何百回となく本人にインタビューを……more
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『ハウ・トゥー バカバカしくて役に立たない暮らしの科学』
2020年01月22日突拍子もない質問に科学で答える『ホワット・イフ?』、科学絵本『ホワット・イズ・ディス?』(ともに早川書房刊)に続く、元NASAエンジニアの人気ウェブ漫画家、ランドール・マンローの新しい本、『ハウ・トゥー』が登場した。『ハウ・トゥー』は、「川を……more
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医学界の「怪物」、その壮絶なドラマ『ゴッドドクター 徳田虎雄』
難病・筋萎縮性側索硬化症(ALS)に冒され動かなくなった身を、自らが策を弄して設立した湘南鎌倉病院に横たえている『ゴッドドクター 徳田虎雄』。かつて、医療革命の風雲児として喝采を浴びた男の一代記だ。その壮絶な生き様から、昭和から平成にかけての……more
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『THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本』
2019年12月29日ニュースを共有するジャーナリストや、概念を共有する評論家と異なり、ライターのブレイディみかこは、風景を共有する。何かを語り、変えようとするためには、風景が共有されなければ始まらない。 ヨーロッパでも、一人の子供の死が、その写真という風景……more
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『あなたは、なぜ、つながれないのか ラポールと身体知 』
2019年12月28日刊行当初から否応なく気にかかる一冊だった。タイトルが目に飛び込んでくる度、反射的に目をそらしたくなる自分がいた。『あなたは、なぜ、つながれないのか』。他者と打ち解けることができない自分の弱さを責められているような不安、弱さを突きつけられること……more
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楽しく読めて役に立つ『からだと病気のしくみ講義』はサルでも読める医学書だ!(←自著誇大広告です)
2019年12月25日近年、医学は飛躍的に進歩し、昔だったら治らなかった病気も治せるようになってきました。大きく進歩した分、ある意味ではややこしくなってしまったのですが、その現代医療の恩恵をきちんとうけて、健康で長生きするためには、これまで以上に自分の体のことを理……more
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『ドライバーレスの衝撃――自動運転車が社会を支配する』
2019年12月02日本書は2018年11月に出版された、サミュエル・シュウォルツによるNo One at the Wheel: Driverless Cars and the Road of the Future(誰も運転していない――自動運転車と道路の未来)の……more
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『美味しい進化 食べ物と人類はどう進化してきたか』
2019年11月21日日頃からなじみのある食べ物でも、進化のレンズをとおして見ると、思いがけない事実が浮かび上がってくる。たとえば、パンケーキ(ホットケーキ)……おもな材料は、卵・小麦粉・ミルクだ。これらの共通点はなんだろう? その答えはすべて生命進化の大いなる分……more
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『ミヤザキワールド 宮崎駿の闇と光』
2019年11月06日本書は、海外における日本アニメ研究の第一人者による「宮崎駿論」決定版とも言うべき一冊である(原書はMiyazakiworld: A Life in Art, Yale University Press, 2018)。通読してまず実感するのは、……more
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『マゾヒストたち 究極の変態18人の肖像』
2019年10月31日SMに関わる人たちをS女性・M女性・S男性・M男性の4種に分けると、もっとも興味深いのがM男性なのだ。興味深くはあっても、一人一人に直接話を聞ける機会は決して多くはない。それこそ、新潮社の社員だった天野哲夫さんなど、著名なマゾが著書を出してい……more
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『愛という名の支配』わたしたちを幸せにするフェミニズム
2019年10月30日田嶋陽子さんは、討論バラエティ『ビートたけしのTVタックル』への出演で高い知名度を得た、日本を代表するフェミニストだ。時は1990年代、平成がはじまったばかりのころ。フェミニストがどういう人なのか、フェミニズムがなんなのかまったく知らなかった……more