今回のゲスト、出口治明さんはHONZの客員レビューアとして、たくさん新刊を紹介してくださっています。APUの学長になられてからは、登場回数こそ少なくなりましたが、精力的に新刊を出されています。この分厚い本がベストセラーなのですから驚きます。
堀内勉のレビュー 刀根明日香のレビュー 仲野徹のレビュー 古幡瑞穂の併せて読まれたこの一冊
また新メンバーである鎌田浩毅先生にもたくさんの著作があり、
この本がご縁でHONZのメンバーになっていただきました。
注目すべきは専門の火山学のこの本。台風の次は…、いや縁起でもありません。
というわけで、この二人のオススメ本から紹介しましょう。
◆:別府、京都、東京と三都市をまたにかけて駆け巡る出口治明
いきなりの6冊、それも大部上下巻が2冊。「HONZの皆さんともあろう者が、この本を紹介しないでなんですか!」とお叱りを受けた『アリストテレス』は哲学者ではなく生物学者としての足跡を。『グレタ』はちょっと読んでおきたいとのこと。『タイトル読本』もまさにタイトル勝ち。『ゴルバチョフ』は出口さんにとっても屈指の評伝だそう。さすがです。
◆:トレードマークである超おしゃれなファッションで登場した鎌田浩毅。ステキです。
鎌田のレビュー。さすが「科学の伝道師」!
アリストテレスに続いてニュートン!アイザック・ニュートンの代表作『プリンシピア 自然哲学の数学的原理』の全訳が3か月連続で復刊されていました。理科系のみなさんは読まないわけにはいかないでしょう。世の中、百科事典好きも多いです。そして効率よく仕事をするためのノウハウ本は売れています。
◆:ノンフィクションのみならずSFの書評でも人気の冬木糸一
世界の物語のルーツを探る一冊。どこから何が派生しているのか、消えない物語はどんなものか、面白そう。技術は仕事のやり方を変えてきたが、AIではどうなっていくのか。日々変わっている現状。美しい写真を眺めているだけで幸せになる『地球の生き物たち』厚さと重さがいいのよねえ。
◆:敏腕編集長の内藤順は相変わらず精力的に読んでます。
大注目の新刊に目を付けるのはさすが編集長。コンピュータやインターネットを作り上げた、市井の人々に注目した本。『サピエンス全史』や『ホモ・デウス』のハラリの新刊は11月発売。仲野徹が大絶賛した『ダークレディと呼ばれて』はkindleのみ復刊。これは読みたいと思ってました。
◆:仕事以外の時はお料理のことばかり考えているという仲尾夏樹
これは番外編。先月ウラジオストックに旅行に行ったときに買ったのだそう。チェチェン出身の女性料理研究家が、アゼルバイジャン、ジョージア、タジキスタン、カザフスタン、ウズベキスタンなど旧ソ連の国々のレシピを紹介しているようです。
函館でバスク料理店を営む著者が行った地域活性イベント。料理人にできることは何か。2019年度 第41回サントリー地域文化賞受賞。世界と日本の台所事情の比較も面白い。この春、老母の家の台所を大リフォームしたので、興味津々。
◆:今年はフィクション、ノンフィクションともに豊作だなあと思っている東えりか。11月には神戸で犯罪ノンフィクションのトークイベントを翻訳家の村井理子さんと行う予定。こうご期待です。詳細はツイッター などでご案内します。
若者が老人にアプローチしている気がする。そこに何か新しいものを生み出している。奥信濃のじいちゃんばあちゃんたちにポップな魅力をみた。女優ののん(元・能年玲奈)も突然登場するアバンギャルド。ルワンダの大虐殺で負傷した人々へ日本の義足を提供する女性の話。児童から大人までの本。お近くの一宮のことは右も左も関係なく、日本のルーツを知りたいです。
◆:最後はHONZで人気コーナーの「併せて読みたいこの一冊」の古幡瑞穂がこの秋注目の新刊をピックアップ。
そして一番の話題は、新聞の広告に大々的に出た2011年に出版されたこの本の復刊。
私が買ったのは、朝日新聞ヨーロッパ総局長の書いたテロの話。シャルリ・エブドの生存者の本は、今の日本人に読んでもらいたいと思っている。12年前、成毛眞が絶賛した『コンテナ物語』は大きく加筆されて現状を紹介。これもまた面白い。
おまけに何冊かご紹介。
『賢者の石、買います』を文庫化で改題。塩田春香の文庫解説デビューです。
古幡瑞穂がいち早く紹介。併せて読まれたこの一冊 「トラジャとは何か」は出口先生が解説してくださいました。
メンバー全員が集まることは、ほぼ不可能になってしまいましたが、HONZはまだまだ続きます。秋の夜長に読む本の参考にしてもらえたら嬉しいです。